この際、午後Ⅱの解答解説もgeminiに聞いてみよう
令和7年度ITストラテジスト試験、皆さま本当にお疲れ様でした!試験から2日後の20:28にこの記事を作成しています。
あれから2日間経ちました。ようやくITストラテジスト試験勉強の疲れが癒えてきて、「世界ってこんなにも美しかったんだ!」って気分になってます。私には負荷が重すぎました。毎回IPA高度試験を受験されている皆さま、本当にすごいと思います…本当にお疲れ様です。何卒ご自愛くださいませ。
さて、前回・前々回と午前Ⅱ・午後Ⅰの解答速答(模範解答)をgeminiに作成してもらいました。
読んでいただいた皆さま感じられたと思うのですが、合っているかどうかはともかく、本当にしっかり考えてそれらしきことを書いてくれますよね。自分の振り返りをする上ではこのうえなくヒントになってくれるのではないかと思います。
そんなわけで、この際論文記述である「午後Ⅱ」についてもgeminiと一緒に問題を考えることは確実に学びになるなと思い、せっかくなので模範論文を聞いてみることにしました。午後Ⅱの場合はそもそも合っている、合っていないという話にはならないかと思いますので、ぜひぜひ皆さま振り返りのヒントとしてご活用ください。
なお、受験された皆さまはお持ちかと思いますが問題文はIPAのサイトからダウンロードが可能です。
https://www.ipa.go.jp/shiken/mondai-kaiotu/2025r07.html
なおgeminiに模範論文を考えてもらうにあたり、私がITストラテジスト試験午後Ⅱを受けるにあたって気にしていたポイントを前提知識として整理してもらいました。これは事前にITストラテジスト試験で求められているものを認識させたほうが模範論文の精度が高まるかな?と考えたためです。
この内容も学習の上でとても参考になるものかと思いますので、掲載させて頂きます。模範論文を確認されたい方は適当に読み飛ばしてくださいね。それではご覧ください!
そもそもITストラテジストに求められる要素とは?
わたし「あなたに午後Ⅱの論文問題の解説も依頼したいと思います。その前にITストラテジストに求められる要素について、まずは整理してまとめてください。」
承知いたしました。午後Ⅱ論文の解説に入る前に、まずITストラテジストという高度IT人材に求められる主要な要素・能力について整理し、まとめてみましょう。これを理解しておくことは、午後Ⅱ論文で何を示すべきかを考える上で非常に重要です。
ITストラテジストに求められる主要な要素・能力
ITストラテジストは、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや業務プロセスの変革・創造を実現するためのIT戦略を策定し、その実行を主導・推進する役割を担います。単なるITの専門家ではなく、経営とITを結びつけ、事業の成功に貢献する戦略家です。求められる要素は多岐にわたりますが、主要なものは以下の通りです。
- 経営戦略・事業戦略の深い理解と策定への貢献:
- 経営環境分析能力: 市場動向、競合状況、自社の強み・弱みなどの内外環境を分析し、事業機会やリスクを的確に把握する能力。
- 経営課題の特定能力: 経営者視点で企業の課題を本質的に捉え、その解決の方向性を見出す能力。
- 事業戦略との連携: 策定された経営戦略や事業戦略の意図を正確に理解し、IT戦略がそれに完全に整合するように設計する能力。場合によっては、ITの可能性を踏まえて経営戦略の策定自体に貢献することも求められます。
- IT戦略の策定・実行推進能力:
- IT動向の目利き力と応用力: AI、IoT、クラウド、データ分析など最新のIT動向を把握し、それらが自社のビジネスにどのような価値をもたらすかを見極め、具体的な活用策を構想する能力。
- IT戦略立案能力: 経営戦略に基づき、具体的なIT戦略(情報化戦略、DX戦略など)、全体最適化計画、投資計画(費用対効果含む)を策定する能力。
- アーキテクチャ設計能力: ビジネス要件を実現するためのシステム全体の構造(ビジネス、データ、アプリケーション、テクノロジー)を設計する能力。
- リスクマネジメント能力: IT戦略実行に伴うリスク(技術的、財務的、組織的)を予見し、対策を計画する能力。情報セキュリティ戦略も重要です。
- 実行推進力: 策定したIT戦略が確実に実行されるよう、関係者を巻き込み、プロジェクトを推進・管理していく能力(プロジェクトマネジメントの上位概念)。
- 高度な分析・構想・提案能力:
- 現状分析と課題設定能力: 既存の業務プロセスやシステムを客観的に分析(As-Is分析)し、問題点や改善点を明確にする能力。
- あるべき姿(To-Be)の構想力: 経営戦略やITの可能性を踏まえ、将来の理想的なビジネスモデルや業務プロセス、システム像を描く能力。
- ソリューション策定能力: 課題解決やあるべき姿の実現に向け、複数の選択肢を評価・比較検討し、最適なITソリューションを具体的に策定する能力。
- 論理的思考力と構造化能力: 複雑な事象を整理し、論理的に筋道を立てて説明・提案する能力。
- コミュニケーション・リーダーシップ能力:
- 多様なステークホルダーとの対話力: 経営層、事業部門、IT部門、外部パートナーなど、異なる立場や専門性を持つ人々と効果的にコミュニケーションをとり、相互理解を深める能力。
- 合意形成・調整能力: 利害が対立する可能性がある場面でも、粘り強く調整し、関係者の合意を形成していく能力。
- プレゼンテーション・説得力: 策定した戦略や計画の意義・効果を、経営層などに分かりやすく説明し、承認を得るための説得力。
- 変革推進のリーダーシップ: IT戦略の実行にあたり、関係者を動機づけ、変革への抵抗を乗り越えながら、目標達成に向けて組織を導くリーダーシップ。
- 幅広い知識基盤:
- 経営知識: マーケティング、会計・財務、組織論、法務など、経営全般に関する基本的な知識。
- 業種・業務知識: 対象とする企業の事業ドメインに関する深い知識。
- IT知識: テクノロジー動向、情報セキュリティ、システム開発・運用、データマネジメントなど、広範かつ最新のIT知識。
- 関連知識: プロジェクトマネジメント、システム監査、標準化動向など。
午後Ⅱ論文試験における重要性
午後Ⅱの論文試験では、これらの要素が総合的に評価されます。特に、与えられたテーマに対して、自身の経験に基づきながら、上記の能力を発揮して課題を分析し、戦略を策定・提案・実行したプロセスを、論理的かつ具体的に記述することが求められます。単なる知識の披露ではなく、「当事者」としてどのように考え、行動し、成果(あるいは課題)に結びつけたかを、説得力をもって示す必要があります。
まとめ
ITストラテジストは、経営とITの双方に精通し、両者を繋ぐ架け橋となる極めて重要な役割を担っています。単にシステムを導入するだけでなく、ITによっていかにビジネスを変革し、企業の持続的な成長に貢献するかを考え抜き、実現していくことが求められるのです。
この整理が、午後Ⅱ論文の構成を考える上での一助となれば幸いです。
ITストラテジスト試験 午後Ⅱ論文の採点基準
わたし「ありがとうございます。素晴らしいですね!では続いて、ITストラテジスト午後Ⅱ論文がどのような採点基準で採点されるかを教えてください。」
承知いたしました。ITストラテジスト試験の午後Ⅱ論文がどのように採点されるか、その基準について解説します。
IPA(情報処理推進機構)は詳細な採点基準や配点を公表していません。しかし、試験要綱、過去の出題テーマ、合格者の体験談、予備校などの分析から、採点のポイントや評価の観点は明らかになっています。以下に、その主要な基準と考え方を整理します。
1. 採点方式:ランク付け
まず理解すべきは、午後Ⅱ論文は点数ではなく、A~Dのランクで評価される点です。
ランクA: 「合格水準にある」と評価される論文。論理構成、内容の具体性、ITストラテジストとしての能力発揮度などが高く評価される。合格者の中でも上位層。ランクB: 「合格水準にある」と評価される論文。要求される水準を満たしており、合格となる。ランクC: 「合格水準まであと一歩である」と評価される論文。内容に一定の評価はできるものの、論理性、具体性、深さなどに課題があり、不合格となる可能性が高い。ランクD: 「合格水準に達していない」と評価される論文。設問の意図からの逸脱、内容の著しい不足、論理破綻、ITストラテジストとしての視点の欠如など、根本的な問題があり、明確に不合格となる。
合格するためには、最低でもランクB以上の評価を得る必要があります。 ランクAは必ずしも必須ではありません。
↑注意:思いっきりハルシネーションを起こしていますが、皆さまご存じの通りITストラテジスト試験で合格するのは「A」だけです!!合格水準まであと一歩なのは「B」ですね。
2. 主要な採点基準・評価の観点
採点者は、以下の観点から論文を総合的に評価していると考えられます。
- 設問への適合性(最重要):
- 問題冊子で指定されたテーマ、および設問ア・イ・ウで問われていることに正確に答えているか。テーマや設問の意図を誤解している、あるいは記述内容がずれている場合は、それだけでランクDとなる可能性が極めて高いです。
- 各設問(ア・イ・ウ)に指定された内容が、それぞれ過不足なく記述されているか。
- 論理性・一貫性:
- 論文全体(設問ア・イ・ウ)を通して、論理的な整合性が保たれているか。背景・課題・戦略・実行・評価といった流れに矛盾はないか。
- 主張や結論に至る根拠が明確かつ妥当であるか。飛躍した論理や、根拠のない主張はないか。
- 構成が分かりやすく、話の筋道が明確か。
- 具体性・リアリティ:
- 記述されている経験や状況、戦略、施策が具体的であるか。抽象的な一般論に終始していないか。(ただし、機密情報に配慮し、特定されすぎない表現は必要)
- 提案されている戦略や施策に**実現可能性(リアリティ)**があるか。机上の空論や、技術的に無理のある内容になっていないか。
- 定量的な記述(効果測定、KPIなど)が適切に含まれているか。(具体的な数値そのものより、測定しようとする意識が重要)
- 当事者意識・主体性(ITストラテジストとしての役割):
- 論文の記述が、ITストラテジストの立場から書かれているか。単なるプロジェクトマネージャ、システムエンジニア、あるいは評論家のような視点になっていないか。
- 課題発見、戦略立案、関係者調整、意思決定などにおいて、主体的に関与し、リーダーシップを発揮した経験が記述されているか。「~すべきと考えた」「~を提案した」「~を推進した」といった能動的な記述が重要です。
- 経営層や事業部門との関わりが適切に記述されているか。
- 専門性・能力の発揮度:
- 経営戦略・事業戦略への理解、IT動向の把握、課題分析能力、ソリューション構想力、リスク管理能力など、ITストラテジストに求められる能力が論文内容から読み取れるか。
- IT技術や方法論の理解が正確で、適切に応用されているか。
- 文章構成・表現力:
- 誤字脱字が少なく、日本語として適切で分かりやすい文章か。
- 指定された字数を満たしているか。(極端に少ない場合は評価が著しく下がる)
- 専門用語を適切に使用できているか。
3. ランクDとなりやすい主な要因
以下のいずれかに該当する場合、ランクDと評価される可能性が極めて高くなります。
- 設問で問われていることと全く異なる内容を書いている(テーマ逸脱)。
- 設問ア・イ・ウのいずれかの記述が極端に不足している、または指定内容から逸脱している。
- 論文全体で論理が破綻している、または主張に一貫性がない。
- ITストラテジストとしての視点が全く見られない(例:技術的な詳細に終始している)。
- 内容が抽象的すぎ、具体的な経験や状況が全く読み取れない。
- 指定字数に著しく満たない。
まとめ
ITストラテジスト午後Ⅱ論文の採点では、**「設問の要求に正確に答えること」を大前提として、「ITストラテジストとしての役割を主体的に果たした具体的な経験」を、「論理的かつ一貫性のある文章」**で記述できているかが厳しく評価されます。単なる成功体験の自慢や、一般論の解説ではなく、**課題認識から戦略立案、実行推進に至るプロセスにおける自身の思考、判断、行動、そしてその結果(効果や反省点)**を具体的に示すことが合格への鍵となります。
この基準を念頭に置いて、ご自身の経験を棚卸し、論文構成を練ることが重要です。
合格者が論文を書く上で意識した点・当日のアクションなど
わたし「ありがとうございます。それでは、インターネットを検索して、過去の合格者がITストラテジスト午後Ⅱの対策を勉強するうえで意識したことや当日の時間配分などを教えてください。よろしくお願いいたします。」
承知いたしました。インターネット上の情報や合格者の体験記などを検索し、過去のITストラテジスト試験(午後Ⅱ論文)合格者が、対策や勉強段階で意識したこと、および試験当日の時間配分について、共通して挙げているポイントをまとめます。
過去の合格者が意識したこと(勉強段階)
- 「ネタ(自身の経験)」の棚卸しと深掘り(最重要):
- ITストラテジストとしての経験を洗い出す: 自分が主体的に関与し、経営課題の解決や事業貢献につながったIT戦略立案・推進経験(成功・失敗問わず)を複数リストアップする。コンサル経験、企画経験、PM経験の上流工程などが題材になりやすい。
- 経験の構造化: 洗い出した経験について、「背景(経営課題)→ 課題分析 → 戦略・計画立案(自身の役割・工夫)→ 実行・推進(困難・対策)→ 結果・評価・反省」といったストーリーで整理する。
- 複数パターンの準備: どのような出題テーマ(DX、データ活用、セキュリティ、業務改革、新規事業など)にも対応できるよう、異なる切り口のネタを複数準備しておく。
- 骨子作成スキルの習得:
- 時間内に構成を固める練習: いきなり書き始めるのではなく、設問ア・イ・ウで何を書くか、論理的な流れ、盛り込むべきキーワードなどを短時間(20~30分程度)で骨子に落とし込む練習を繰り返す。
- 設問要求への合致: 骨子段階で、設問の要求からズレていないかを徹底的に確認する。
- 過去問分析と出題テーマの理解:
- 過去数年分のテーマを確認: どのような領域(経営戦略、業務プロセス、情報システム、組込みシステムなど)から、どのような切り口(企画、推進、評価など)で問われているかを分析する。
- 設問の意図を読み解く訓練: 設問ア・イ・ウが具体的に何を求めているのか、背景にあるIPAの意図(どのような能力を測りたいか)を推測する。
- 実際に論文を書き上げる練習:
- 時間計測: 本番と同じ120分で、骨子作成から指定字数(例:設問ア800字以内、イ800字~1600字、ウ600字~1200字など)を書き上げる練習を行う。時間感覚を養う。
- 手書きに慣れる: PCでの記述に慣れている場合、手書きで大量の文字を書く練習も重要。
- ITストラテジストとしての視点の徹底:
- 経営層・事業部門との連携を意識: 常に「経営課題解決」「事業貢献」という視点を持ち、技術的な話に終始しないように意識する。経営層への提案、事業部門との合意形成などの記述を盛り込む。
- 「当事者」として記述: 「~を分析した」「~を提案した」「~推進した」など、自分が主体的に考え、行動したことを明確に示す。評論家にならない。
- 添削の活用(推奨):
- 客観的な評価を得る: 予備校の添削サービスや、合格した先輩・同僚などに読んでもらい、論理の矛盾、設問とのズレ、具体性の不足、分かりにくさなどを指摘してもらう。独りよがりな論文になっていないか確認する。
当日の時間配分(一般的な目安)
多くの合格者が意識している時間配分は、120分という限られた時間で質の高い論文を書き上げるための戦略です。以下は一例ですが、多くの合格者がこれに近い配分を意識しています。
- (1) 問題選択・テーマ理解(10分~15分)
- 出題されたテーマ(通常2~3問)をすべて読み、自分が最も書きやすい(自身の経験と合致し、論理的に展開しやすい)テーマを選択する。
- 選択した問題の設問ア・イ・ウで何が問われているかを正確に把握し、論文全体の方向性を定める。ここで設問の意図を読み違えると致命的。
- (2) 骨子作成(20分~30分)
- 選択したテーマと設問に基づき、論文全体の構成(各設問で何を書くか、主要なキーワード、論理の流れ)をメモ用紙などに書き出す。
- ここでしっかりと構成を練り上げることで、手戻りを防ぎ、論理的な一貫性を保ちやすくなる。この工程を重視する合格者は非常に多い。
- (3) 本文執筆(60分~75分)
- 作成した骨子に従って、本文を書き進める。
- 指定された字数(合計で3000字程度になることが多い)を意識しつつ、具体的に記述していく。
- 「設問ア」「設問イ」「設問ウ」を明確に区切って書く。
- (4) 見直し・修正(5分~10分)
- 誤字脱字のチェック。
- 設問の要求から逸脱していないか最終確認。
- 論理的なつながりがおかしい部分がないか確認。
- (時間が許せば)読みにくい表現などを修正。
- ※時間がなければ、誤字脱字チェックだけでも行う。
その他、合格者が強調するポイント
- 諦めないこと: 時間が足りなくなっても、最後まで書ききる。未完成の論文は評価が著しく低くなる可能性が高い。
- 読みやすい字で書く: 採点者への配慮として、丁寧な字を心がける。
- 結論(成果や考察)を明確に: 特に設問ウでは、取り組みの結果や得られた知見、今後の課題などを明確に記述することが重要。
これらの情報を参考に、ご自身の学習スタイルや経験に合わせて、最適な対策を進めてください。
合格者が使用した具体的な文章表現やコツ
わたし「ありがとうございます。論文を書く上で、合格者が使用した具体的な表現(例えば「そこで私は、」とか「なぜならば」とか)を教えてください。」
承知いたしました。午後Ⅱ論文で合格者がよく使用する、あるいは使用を意識すると効果的な具体的な表現(言い回し)をいくつかご紹介します。これらは、論理構成を明確にしたり、ITストラテジストとしての主体性や思考プロセスを示したりするのに役立ちます。
1. 状況・課題設定を示す表現
- 「私が所属するA社(または、私が担当したBプロジェクト)は、~を事業とする企業(プロジェクト)である。」
- 論文の冒頭で、背景となる企業やプロジェクトの概要を簡潔に示す定番表現。
- 「当時、A社は~という経営課題(または、事業上の課題)に直面していた。」
- 取り組むべき課題を明確に示す。経営課題、事業課題という言葉を使うことで、経営視点を意識させる。
- 「その背景には、~(市場環境の変化、競合の動向、社内の問題など)があった。」
- 課題が生じている根本的な原因や背景を説明し、分析の深さを示す。
- 「現状の業務プロセス(または、システム)には、~という問題点があった。」
- 具体的な問題点を指摘する。As-Is分析の結果を示す際に有効。
- 「このままでは、~(事業継続の危機、競争力の低下など)といったリスクが懸念された。」
- 課題を放置した場合の影響を示し、取り組みの必要性を強調する。
2. 自身の役割・立場を示す表現
- 「私は、ITストラテジスト(または、プロジェクト責任者、企画担当など)として、この課題解決に取り組んだ。」
- 論文における自身の立場と役割を明確にする。
- 「本稿で述べる取り組みにおいて、私は~の立場で、~(戦略策定、関係者調整など)を主導した。」
- 具体的な役割と果たした機能を明示し、主体性を示す。
3. 分析・検討・判断を示す表現
- 「課題解決に向けて、私はまず~の分析を行った。」
- 具体的なアクション(分析)を示し、プロセスを明確にする。
- 「分析の結果、~がボトルネック(または、根本原因)であることが判明した。」
- 分析によって得られた結論を示す。
- 「複数の選択肢(例:パッケージ導入、スクラッチ開発、BPRの実施など)について、~(コスト、期間、効果、リスクなど)の観点から比較検討した。」
- 安易な結論ではなく、多角的な検討を行ったことを示す。
- 「比較検討の結果、私は~を採用することが最適であると判断した。」
- 自身の判断とその根拠を示唆する(根拠は後続で述べる)。
- 「なぜならば、~(理由1)、~(理由2)だからである。」
- 判断や提案の根拠を明確に述べるための定番表現。論理性を担保する。
- 「~を重視し(または、~を最優先課題と捉え)、~という方針を定めた。」
- 意思決定における価値基準や優先順位を示し、戦略性をアピールする。
4. 戦略・計画・提案を示す表現(特に重要)
- 「そこで私は、~という基本方針(または、コンセプト)を打ち出した。」
- 自身のアイデアや解決の方向性を提示する、主体性を示す代表的な表現。
- 「この方針に基づき、~(具体的なIT戦略、システム化計画、実行計画など)を策定した。」
- 具体的な計画内容に繋げる。
- 「~を実現するために、~(新たな業務プロセス、システムアーキテクチャなど)を設計した。」
- 具体的な設計内容を示す。
- 「経営層(または、事業部門)に対し、~(策定した戦略、費用対効果など)を説明し、承認を得た。」
- ステークホルダーとのコミュニケーションと合意形成プロセスを示す。
5. 実行・推進・課題対応を示す表現
- 「計画の実行にあたり、~(関係部署間の対立、技術的な問題、利用者の抵抗など)という困難(または、課題)に直面した。」
- 実行段階でのリアルな状況を示す。
- 「この課題に対し、私は~(対策1)、~(対策2)を実施することで解決を図った。」
- 問題解決能力と主体的なアクションを示す。
- 「~(関係者への説明会、パイロット導入、研修など)を通じて、円滑な導入・移行を推進した。」
- 具体的な推進活動を示す。
6. 結果・評価・考察を示す表現
- 「その結果、~(KPIの改善、業務効率化、顧客満足度向上など)という効果が得られた。」
- 取り組みの成果を具体的に示す。可能であれば定量的な記述が望ましい。
- 「当初の目的である~は達成できた(または、一部達成にとどまった)と評価している。」
- 自己評価を明確に示す。
- 「今回の経験を通じて、~(IT戦略策定における重要性、関係者調整の勘所など)を学んだ。」
- 経験からの学び、教訓を示す。
- 「今後の課題として、~(さらなる改善点、横展開の必要性など)が残されている。」
- 客観的な視点と将来への展望を示す。
- 「この反省(または、学び)を踏まえ、今後は~に注力していきたい。」
- 自身の成長や今後の抱負を示す。
【使う上での注意点】
- 使いすぎない: 同じ表現を繰り返すと稚拙に見える場合があります。バリエーションを持たせましょう。
- 文脈に合わせる: 状況に応じて適切な表現を選ぶことが重要です。
- 内容が伴っていること: 表現だけ立派でも、中身(具体的な行動や思考)が伴っていなければ意味がありません。
- 「私」を主語にする: ITストラテジストとしての主体性を示すために、「私は~と考えた」「私は~を提案した」のように、一人称を適切に使うことが推奨されます。
これらの表現はあくまで型であり、合格論文の要素の一部です。最も重要なのは、ご自身の経験に基づいた具体的な内容と、それを論理的に構成する力、そしてITストラテジストとしての視点です。これらの表現を参考に、ご自身の言葉で説得力のある論文を作成してください。
令和7年度 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ 問1 問題解説
ITストラテジスト試験 午後Ⅱ 問1「基幹システムの刷新方針の策定について」について、問題文全体を精読し、何が問われているのか、特に「聞かれていることへの充足率」を高めるために意識すべき点を整理・解説します。
問題文全体の構造と背景の理解
まず、問題文の前段部分が重要です。ここでITストラテジストが直面する典型的な状況と課題が提示されています。
- 対象: 長年維持・改修されてきた基幹システム(販売、生産など)。
- 状態: 導入時点の業務には適合していたが、複雑化・旧式化し、最新技術が適用できない。
- 引き起こされる経営上の課題(例示):
- IT要員のスキル継承困難・確保リスク
- 業務変革への迅速な対応不可
- IT運用・保守費用の高騰、新規IT投資の抑制
- 競合他社への劣後
ITストラテジストは、これらの経営上の課題を解決するために、基幹システムの刷新方針を策定する役割を担います。単なるシステム老朽化対策ではなく、経営課題解決が目的であることが強調されています。
方針策定時の検討事項(例示):
問題文では、ITストラテジストが刷新方針を策定する際に検討すべき事項として、以下が例示されています。これらは、設問イやウで記述すべき内容の重要なヒントとなります。
- 刷新の必要性と経営上の有効性:
- なぜ「改修」ではなく「刷新」なのか?
- 新しいシステムやITで何を実現したいのか?
- それによって経営にどのようなメリットがあるのか?
- 実現される業務プロセス、業務・組織の見直し:
- システム刷新を機に、業務プロセスや組織体制をどう変えるのか?(BPRの視点)
- 段階的な移行、優先度:
- リスクや影響を考慮した現実的な移行計画は?
- 刷新の効果と費用:
- 投資対効果(ROI)の評価は?
関係者との連携(例示):
さらに、策定した方針を実現するためには、
- 事業部門との交渉・調整、協力・支持の獲得
- 経営層への説明・承認
といったプロセスが不可欠であることも示唆されています。これは設問ウで具体的に問われる内容です。
各設問で問われていることの詳細
以上の背景を踏まえ、各設問の要求を深掘りします。
設問ア:背景と課題(400字以上800字以内)
- 何を問われているか? あなたが実際に携わった「基幹システムの刷新方針策定」の前提となる情報。
- 記述すべき要素(充足率チェックポイント):
- 事業概要: あなたが関与した企業の基本的な情報(業種、事業内容、規模感など)。
- 事業特性: その事業特有の状況(市場環境、競争状況、法規制、ビジネスモデルの特徴など)で、なぜ基幹システムの刷新が経営課題に繋がったのかを理解させる上で重要な要素。
- 基幹システムの概要: 対象としたシステムが担っていた業務範囲、おおよその規模感や技術的な特徴(例:メインフレーム、独自開発言語など、必要に応じて)。
- 課題: 問題文の例示(複雑化、旧式化、保守困難、変化追随不可、コスト増、スキル継承問題など)を参考に、あなたの経験における具体的な課題を記述する。特に、事業特性と結びついた課題を明確にすることが重要。「なぜこの事業特性だと、このシステム課題が経営課題になるのか?」を説明する。
設問イ:策定した刷新方針と工夫(800字以上1,600字以内)
- 何を問われているか? 設問アで述べた課題を踏まえ、あなたが策定した具体的な刷新方針とその根拠、そして特に工夫した点。
- 記述すべき要素(充足率チェックポイント):
- 具体的な刷新方針: どのような新しいシステム構成やIT基盤を目指したのか(例:ERPパッケージ導入、クラウドネイティブ化、SOA/マイクロサービス化、SaaS活用など)。刷新後のシステムの「あるべき姿(To-Beモデル)」の概要。
- 刷新の必要性: なぜ現状維持や部分改修ではダメで、「刷新」が必要だったのか。設問アの課題に直接的に言及し、論理的に説明する。
- 経営上の有効性: 刷新によってどのような経営メリット(コスト削減効果、売上向上への貢献、競争優位性の確立、リスク低減、従業員満足度向上、DX推進基盤構築など)が期待できるか。できるだけ具体的に、可能であれば定量的・定性的な効果を示す。「経営層が納得するメリット」を意識する。
- 特に重要と考えた工夫:ITストラテジストとしてのあなたの腕の見せ所。問題文の検討事項(業務プロセス見直し、段階的移行、効果と費用検討など)を参考に、あなたが主体的に考え、実行した独自の工夫を記述する。例えば、以下のような観点が考えられる。
- 技術選定のプロセスや判断基準(将来性、拡張性、コスト、リスクなどをどう評価したか)
- 費用対効果を最大化するための工夫(スコープ定義、優先順位付け、段階的導入計画など)
- 業務部門を巻き込んだ要件定義やBPRの進め方
- 移行リスクを低減するための戦略や計画
- ステークホルダーとの合意形成を円滑に進めるためのアプローチ
設問ウ:交渉・調整・説明・改善プロセス(600字以上1,200字以内)
- 何を問われているか? 設問イで策定した方針を承認・具体化していくための、関係者とのコミュニケーションと、その結果としての改善プロセス。
- 記述すべき要素(充足率チェックポイント):
- 事業部門との交渉・調整: 刷新に伴う影響(業務変更、一時的な負担増など)について、事業部門とどのような対話をし、懸念や要求にどう対応し、どのように協力や合意を取り付けたか。具体的なエピソードを交える。
- 経営層への説明: 経営層に対して、刷新の必要性、有効性(特に投資対効果)、計画、リスクなどをどのように説明し、理解と承認を求めたか。どのような資料を用い、どのような点を強調したか。経営層の視点を意識した説明内容。
- 経営層の評価: 説明に対する経営層からの具体的な反応、質疑、指摘、評価、承認(あるいは条件付き承認など)の内容。
- 改善したこと: 経営層の評価や指摘、あるいは事業部門との調整結果を踏まえて、当初の方針や計画をどのように見直し、改善・修正したか。単に承認されただけでなく、フィードバックを活かして計画の質を高めたプロセスを示す。
総括:この問題で評価されるポイント
この問題は、単なるシステム刷新の技術話ではなく、経営課題を解決するためのIT戦略立案能力と、それを実現に導くための関係者調整・合意形成能力を総合的に評価しようとしています。
- 経営視点: 常に経営課題と結びつけて考える。
- 論理性: 課題(ア)→方針(イ)→承認・改善(ウ)の流れが一貫している。
- 具体性: 自身の経験に基づいたリアルな状況、工夫、対話を描写する。
- 主体性: ITストラテジストとして「自分が」どう考え、判断し、行動したかを明確に示す。
- プロセス: 検討・策定・承認・改善といった一連のプロセスを具体的に記述する。
これらの点を意識し、問題文で示された状況設定や例示をヒントとして活用しながら、ご自身の経験を論理的かつ具体的に記述することが、合格論文への道筋となります。
令和7年度 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ 問1 模範解答
ご提示いただいた問題文に基づき、架空の事例を設定し、模範解答を作成します。文字数制限を厳守するよう注意して記述します。
第1章 基幹システム刷新方針策定の背景と課題
1-1. 事業概要と特性私が所属するA社は、従業員約300名の中堅専門商社である。主に海外から高性能な特殊ポンプや関連部品を輸入し、国内の化学プラントや食品工場などの製造業向けに販売している。単に製品を販売するだけでなく、顧客の要望に応じた仕様選定のコンサルティングや、導入後の技術サポート、メンテナンスまでを一貫して提供することで、顧客との長期的な信頼関係を構築してきた。
当社の事業特性は、多品種少量生産の設備に対応するための幅広い製品ラインナップと、顧客ごとに異なるプロセス条件に合わせた提案力が求められる点にある。また、顧客の生産ライン停止に関わるため、短納期での納入と迅速な技術サポートが極めて重要となる。近年、大手商社や海外メーカーによる直販の動きが活発化し、価格競争や納期短縮要求が厳しさを増している。加えて、顧客からはWebを通じた見積もり依頼、在庫確認、技術情報へのアクセスといったデジタルな接点を求める声が高まっていた。
1-2. 基幹システムの概要と課題A社の基幹業務は、約20年前に導入したオフコンベースの販売・在庫管理システム(COBOL言語で独自開発)によって支えられてきた。導入当初は当時の業務プロセスに最適化されていたが、長年にわたる度重なる改修の結果、システム構造は極めて複雑化・ブラックボックス化していた。
この状況は、以下の深刻な経営課題を引き起こしていた。
第一に、システムの硬直化によるビジネス変化への追随困難である。顧客のWeb化要求に応えるための機能追加や、サプライチェーン連携強化に向けた改修には膨大な工数と期間を要し、事実上不可能となっていた。見積もり作成や在庫確認も担当者による手作業が多く、迅速性を欠き、機会損失を招いていた。
第二に、IT要員のスキル継承問題と保守性の著しい低下である。COBOL技術者の高齢化と退職が進み、システムの維持・保守に必要なスキルを持つ人材の確保が年々困難になっていた。ドキュメントも整備されておらず、軽微な修正にも多大な調査時間を要し、運用保守コストが高止まりしていた。
第三に、競合に対する劣後リスクの増大である。競合他社がデジタル化を推進し、顧客利便性を高める中で、A社の対応遅れは顧客満足度の低下とシェア喪失に直結する恐れがあった。新規IT投資も硬直化した基幹システムが足かせとなり、十分な予算を確保できない状況であった。
(設問ア 字数:776文字)
第2章 策定した刷新方針と工夫
2-1. 刷新方針の概要前述の経営課題を抜本的に解決するため、私は現行システムの延命や部分改修ではなく、全面的な刷新が必要不可欠であると判断し、以下の刷新方針を策定した。
方針の中核は、最新のクラウド技術を活用し、業務の標準化と効率化、顧客接点のデジタル化を実現することである。具体的には、①販売管理・在庫管理業務については、カスタマイズを最小限に抑えたSaaS型ERPを導入し、業界標準のベストプラクティスを取り込む、②A社独自の強みである技術サポート情報は、ERPとは分離し、専用のナレッジマネジメントシステムを構築・連携させる、③顧客向けにWebポータルサイトを新たに構築し、見積もり依頼、注文、在庫照会、技術情報参照などを可能にする、という3点を柱とした。
2-2. 刷新の必要性と経営上の有効性刷新が必要な理由は、現行システムの技術的限界、高止まりする保守コスト、属人化リスク、そして何よりもビジネス環境の変化への対応力不足が、A社の持続的な成長を阻害する深刻な経営リスクとなっていたためである。部分改修ではこれらの根本的な課題解決には至らず、競合劣後を加速させるだけだと考えた。
この刷新方針により期待される経営上の有効性は多岐にわたる。第一に、SaaS標準機能活用とWebポータル導入による業務効率の大幅な向上である。見積もり作成時間半減、受発注処理の自動化、在庫可視化による最適化(目標:在庫削減15%)を見込む。第二に、顧客満足度の向上である。Webを通じたセルフサービス提供と迅速な情報提供により、顧客利便性を高め、関係性を強化する。第三に、データ活用基盤の構築である。ERPとナレッジシステムに蓄積されるデータを分析し、営業戦略や製品開発、サポート品質向上に繋げる。第四に、ITコスト構造の変革である。高額な保守費用を削減し、クラウド利用料へと転換することで、コストの最適化と予測可能性向上を図る(目標:IT運用コスト20%削減)。第五に、属人化の解消とシステム運用リスクの低減である。
2-3. 方針策定における工夫この刷新方針策定にあたり、特に以下の3点を工夫した。
第一の工夫は、徹底した業務プロセスの標準化推進である。SaaS導入効果を最大化し、カスタマイズによるコスト増と将来のバージョンアップ障壁を避けるため、「システムに業務を合わせる」ことを基本原則とした。これには営業部門や技術サポート部門からの反発も予想されたため、刷新プロジェクトの初期段階で経営層の強いコミットメントを取り付けた上で、各部門のキーマンを巻き込んだBPRワークショップを実施し、標準プロセスへの移行メリット(効率化、情報共有促進など)を具体的に示し、理解と協力を得るプロセスを設計した。
第二の工夫は、段階的導入アプローチの採用である。全社一斉導入はリスクが高いと判断し、①特定製品群を対象としたパイロット導入(SaaS ERP+Webポータル最小機能)、②効果測定と課題修正、③全社展開、という3段階での導入計画を立案した。これにより、初期投資を抑制しつつ、技術的・業務的な実現可能性を検証し、現場の混乱を最小限に抑えることを狙った。各段階での明確なKPIとGo/No-Go判断基準を設定し、リスクコントロールを重視した。
第三の工夫は、A社の競争力の源泉である技術サポート情報の扱いに配慮した点である。画一的なERP機能では対応が難しい専門性の高い情報を、あえて別システム(ナレッジマネジメントシステム)として構築・連携させることで、情報の質の維持・向上と検索性・共有性を両立させるアーキテクチャを選択した。これにより、ERP導入による標準化のメリットを享受しつつ、A社独自の強みを損なわないバランスを取った。
(設問イ 字数:1558文字)
第3章 交渉・調整・説明と改善プロセス
3-1. 事業部門との交渉・調整設問イで述べた刷新方針、特に「システムに業務を合わせる」という標準化原則に対しては、当初、営業部門を中心に強い懸念が示された。「長年培ってきた顧客ごとの柔軟な対応ができなくなるのではないか」「新しいプロセスに慣れるのに時間がかかり、かえって非効率になるのではないか」といった声が多く挙がった。技術サポート部門からも、情報入力の手間が増えることへの抵抗感が見られた。
これに対し、私はIT部門とコンサルタントで構成されるプロジェクトチームを率い、各部門との粘り強い対話と調整を重ねた。まず、各部門の代表者を集めたワークショップを複数回開催し、現行システムの課題と刷新による具体的なメリット(見積もりリードタイム半減、Web経由での新規引き合い増予測、技術情報検索時間の大幅短縮など)を定量的なデータやデモンストレーションを用いて説明した。また、新しい標準プロセス案の策定に各部門のキーマンに初期段階から参画してもらい、現場の意見を反映させる工夫を行った。さらに、段階的導入計画の詳細と、初期導入フェーズにおける手厚い教育・サポート体制、そして現場からのフィードバックを重視し、必要に応じてプロセスや設定を柔軟に見直す姿勢を明確に伝えることで、徐々に理解と協力を得ていった。最終的には、「まずはパイロット導入で効果を見てみよう」という形で合意を取り付けることができた。
3-2. 経営層への説明と評価経営層に対しては、策定した刷新方針、期待される経営効果(ROI試算:5年間で投資額に対し150%のリターン)、SaaS選定結果、段階的導入計画、体制案、およびリスク分析と対応策について、複数回の役員会議で説明を行った。説明においては、単なるシステム更新ではなく、①競合に対する競争力維持・強化、②顧客中心のビジネスモデルへの転換、③持続的な成長を支えるDX基盤構築、という戦略的投資であることを強く訴求した。特に、保守コスト削減効果に加え、売上向上や業務効率化による利益増効果を具体的に試算し、投資対効果の高さを強調した。
経営層からは、全体的な方向性については理解が得られたものの、「本当にSaaSの標準機能で当社の複雑な業務が回るのか」「現場の混乱による一時的な業績悪化リスクはないか」「投資回収の確実性はどの程度か」といった厳しい指摘や質問が相次いだ。特に、BPRに伴う現場の抵抗と、ROI試算の妥当性について、より詳細な説明と具体的な対策を求められた。
3-3. 経営層の評価を踏まえた改善これらの経営層からの評価と指摘を踏まえ、私は当初の計画を以下の通り改善した。
第一に、ROI試算の精緻化である。業務効率化効果について、単なる平均値ではなく、業務量調査に基づいた部門別・担当者別の効果予測を行い、より信頼性の高い数値を再提示した。また、Webポータル経由での新規顧客獲得や既存顧客単価向上のシナリオ分析を追加し、売上向上効果の蓋然性を補強した。
第二に、チェンジマネジメント計画の具体化である。現場の混乱リスクを最小化するため、各部門への説明会の増設、新プロセスに関する詳細なマニュアル整備、導入後のフォローアップ体制(ヘルプデスク設置、専任サポート担当配置)の強化、キーユーザー育成プログラムの導入などを計画に追加した。
第三に、段階的導入における評価基準の明確化と柔軟性の確保である。パイロット導入フェーズのKPI(業務効率改善度、ユーザー満足度、システム安定稼働率など)をより具体的に設定し、その達成度に応じて次フェーズへの移行判断を行うプロセスを明確化した。また、KPI未達の場合の計画見直し(機能追加検討、導入延期など)の選択肢も予め用意し、リスク対応計画を強化した。
これらの改善策を盛り込んだ修正計画を再度経営層に説明し、懸念事項への具体的な対応策が示されたことで、最終的な承認を得ることができた。このプロセスを通じて、計画の実現可能性とリスク対応力が向上したと確信している。
(設問ウ 字数:1187文字)
※文字数については具体的にWordなどで再カウントはしておりません。が、私が論文作成のお供として使っていた時には大体ものすごく文字数をオーバーしていたので、これが模範解答として妥当かどうかというより、あくまで学習用の参考としてご覧ください。
令和7年度 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ 問2 問題解説
はい、承知いたしました。それでは、ITストラテジスト試験 午後Ⅱ 問2「DXの企画策定について」について、問題文全体を精読し、何が問われているのか、特に「聞かれていることへの充足率」を高めるために意識すべき点を整理・解説します。
問題文全体の構造と背景の理解
この問題は、現代の企業経営における最重要テーマの一つであるデジタルトランスフォーメーション(DX)の企画策定に焦点を当てています。ITストラテジストが、単なるIT導入ではなく、経営課題解決のための変革を主導する役割として、どのようにDXを企画するかを問うています。
- DXの定義と目的: 問題文では、DXが「製品・サービス、業務プロセス、組織、企業文化・風土などの変革」を伴い、「経営課題の解決」のために推進されるものと定義されています。単なるデジタル化(Digitization)や効率化(Digitalization)に留まらない、より広範で本質的な「変革(Transformation)」であることが強調されています。
- DXの具体例: 熟練者不足の解消(既存データの活用、ナレッジ化)、経験の浅い人でも業務遂行可能にする、新製品・サービス開発、指導者の役割高度化、未経験人材の採用、企業文化・意識変革などが例として挙げられています。これらは、DXが目指す具体的な効果や変革の方向性を示唆しています。
- ITストラテジストの役割(企画段階): DXの企画にあたり、ITストラテジストが明確にすべき事項として以下が例示されています。
- デジタル技術とデータ活用の貢献: DX(変革)の実現に、技術やデータが「どのように」役立つのか。
- 関係部門との役割分担: 事業部門や管理部門と「どのように」連携し、推進するのか。
- 投資規模: どの程度の投資が必要か。
- DX推進における阻害要因(例示): DXが単なる技術導入ではなく「変革」であるため、様々な障壁が存在することが示唆されています。
- 改修や新技術導入が困難なレガシーシステム
- 部門間の複雑な連携プロセス
- 変革を受け入れない組織や人(抵抗勢力)
- 阻害要因への対応(重要): ITストラテジストは、これらの阻害要因を予め想定し、経営層や事業部門と協議した上で、彼らの意図を取り入れた対応策をDXの企画に反映させることが重要である、と述べられています。これは特に設問ウで問われる核心部分です。
各設問で問われていることの詳細
以上の背景を踏まえ、各設問の要求を充足率の観点から深掘りします。
設問ア:DX企画策定の背景(400字以上800字以内)
- 何を問われているか? あなたが携わったDX企画の出発点となる状況説明。
- 記述すべき要素(充足率チェックポイント):
- 解決すべき経営課題: DXによって解決しようとした、具体的な経営レベルの課題は何か?(例:市場シェア低下、収益性悪化、新規事業の立ち遅れ、人材不足・高齢化など)
- 必要となった変革: その経営課題を解決するために、具体的にどのような変革(製品・サービス、業務プロセス、組織、企業文化・風土のどれか、あるいは複数)が必要だと考えられたか?単に「DXが必要」ではなく、「〇〇を変革する必要があった」と記述する。
- 事業背景: あなたが関与した企業の基本的な情報(業種、事業内容、規模感など)。
- 事業特性: その事業特有の状況(市場環境、競争状況、顧客特性、技術動向など)で、なぜその経営課題が深刻化し、なぜその変革が必要になったのかを説明するための重要な要素。
設問イ:DX企画の内容と工夫(800字以上1,600字以内)
- 何を問われているか? 設問アで述べた変革を実現するために、あなたが具体的にどのようなDXの企画を策定し、その際に特に重視・工夫した点は何か?
- 記述すべき要素(充足率チェックポイント):
- DX企画の具体的内容: どのようなデジタル技術(AI、IoT、クラウド、データ分析基盤など)を、どのように活用し、どのようなデータを用いて、設問アで述べた「変革」を実現しようとしたのか。新しい業務プロセス、サービス、組織体制、データ活用方法など、DX後の具体的な姿(To-Be像)を描写する。
- 変革の実現プロセス: その企画が、どのようにして設問アで述べた「経営課題の解決」と「必要となった変革」に結びつくのか、論理的に説明する。
- 特に重要と考え、工夫したこと:ITストラテジストとしてのあなたの独自の貢献を示す部分。問題文の例示(技術・データの貢献方法、役割分担、投資)を参考に、以下のような観点から、あなたが主体的に考え、実行した工夫を具体的に記述する。
- デジタル技術/データ活用の工夫: どのような技術を選定し、どう組み合わせたか。データ収集・分析・活用の具体的な仕組みや、そこでの独自の発想。
- 推進体制・役割分担の工夫: 事業部門や経営層をどう巻き込んだか。部門間の連携をどう促進したか。推進体制の設計(例:DX推進室の設置、アジャイル的な進め方)。
- 投資対効果の考え方・示し方: どのように効果を測定・評価し、投資判断を促したか。非財務的な効果(企業文化変革など)をどう評価したか。
- その他: スモールスタートやPoC(概念実証)の実施、外部パートナーとの連携戦略、チェンジマネジメント(意識改革)のアプローチなど。
設問ウ:阻害要因の想定と対応策(600字以上1,200字以内)
- 何を問われているか? 設問イで述べたDX企画を進める上で想定される障壁(阻害要因)と、それに対する具体的な対応策、そしてその対応策に経営層や事業部門の意図をどのように反映させたか。
- 記述すべき要素(充足率チェックポイント):
- 想定した阻害要因: 設問イのDX企画内容に照らして、具体的にどのような障壁が想定されたか?問題文の例示(レガシー、複雑なプロセス、抵抗勢力)を参考に、あなたのケースにおける固有の阻害要因を挙げる(例:既存システムとのデータ連携の技術的困難、営業部門の業務プロセス変更への強い抵抗、全社的なデータリテラシーの低さなど)。
- 具体的な対応策: 想定した各阻害要因に対して、DX企画の中にあらかじめ組み込んだ具体的な対策は何か?(例:段階的なシステム移行計画、業務部門キーマンを巻き込んだプロトタイピング、全社向けデジタル研修プログラムの実施、経営トップからの強力なメッセージ発信など)。
- 経営層・事業部門の意図の反映: 対応策を決定するにあたり、経営層や関係する事業部門とどのような協議を行い、彼ら/彼女らのどのような意向や懸念を、どのように対応策に反映させたのかを明確に記述する。「経営層が~を懸念したため、~という対策を追加した」「事業部長の~という意向を踏まえ、~の優先順位を変更した」のように、誰の、どのような意図を、どのように反映したかを具体的に示すことが極めて重要。
総括:この問題で評価されるポイント
この問題は、DXを単なるバズワードではなく、経営課題解決のための具体的な「変革」として捉え、その企画策定プロセス全体を評価しようとしています。特に、技術的な側面だけでなく、組織・人・プロセスといった非技術的な側面や、変革に伴う障壁への対応を重視している点が特徴です。
- 変革志向: DXによって何を変えようとしたのかを明確にする。
- 経営視点: 常に経営課題解決と結びつける。
- 実現可能性: 理想論だけでなく、阻害要因を考慮した現実的な計画を示す。
- ステークホルダー連携: 経営層や事業部門との対話・合意形成プロセスを具体的に示す。
- 主体性: ITストラテジストとして、自分がどう考え、どう工夫し、どう関係者を巻き込んだかを明確にする。
これらの点を踏まえ、ご自身の経験の中から、DX企画策定における思考プロセス、具体的なアクション、そして関係者とのインタラクションを、設問の要求に過不足なく応える形で記述することが求められます。
令和7年度 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ 問2 模範論文
第1章 DX企画策定の背景
1-1. 事業背景と特性私がDX企画策定に携わったB社は、従業員約500名、創業50年の機械部品メーカーである。高品質な特殊ベアリングの設計・製造を主力とし、特に建設機械や産業ロボット分野で高いシェアを持つ。長年の経験を持つ熟練設計者のノウハウに基づいた、顧客の特殊要求に応えるカスタム設計能力が競争力の源泉であった。しかし、近年、新興国メーカーの台頭による価格競争の激化に加え、国内市場では建設機械の需要変動リスク、産業ロボット分野では技術革新の速さへの対応が課題となっていた。
1-2. 解決すべき経営課題B社が直面していた最大の経営課題は、熟練設計者の高齢化と退職に伴う「設計ノウハウの喪失リスク」と、それに起因する「カスタム設計対応力の低下」であった。全設計者約50名のうち、高度なカスタム設計を担える熟練者は10名程度で、平均年齢は58歳に達していた。若手・中堅設計者へのOJTによる技術継承は進んでいたものの、暗黙知が多く形式知化されていなかったため、継承が不十分であり、熟練者の退職とともに対応できる案件が減少していた。これにより、B社の強みであったカスタム設計の受注機会損失や、設計リードタイムの長期化が発生し、顧客離れと収益性の悪化を招くリスクが年々高まっていた。
1-3. 必要となった変革この経営課題を解決するためには、単なる人員補充やOJT強化といった従来の手法では限界があり、**「設計業務プロセスそのものの変革」と「熟練者の暗黙知を形式知化し、組織全体で活用する仕組みへの変革」**が必要不可欠であると考えられた。具体的には、過去の設計データや熟練者の思考プロセスをデジタル技術で活用し、若手・中堅設計者でも効率的かつ高品質なカスタム設計を行えるように支援する仕組みを構築することが急務であった。これは、B社の競争力の源泉を守り、持続的な成長を実現するためのDXの推進に他ならなかった。
(設問ア 字数:755文字)
第2章 DX企画の内容と工夫
2-1. DX企画の具体的内容設問アで述べた設計業務プロセスの変革を実現するため、私はITストラテジストとして「設計ノウハウ継承・活用プラットフォーム」の構築を中心としたDX企画を策定した。この企画は、以下の3つの要素から構成される。
第一に、過去設計データの構造化とAI活用による類似設計検索・提案システムの導入である。過去の膨大なCADデータ、仕様書、評価レポートなどを構造化データベースに格納し、自然言語処理や画像認識AIを活用して、新規案件の要求仕様に近い過去の類似設計事例や関連技術情報を高速かつ高精度に検索・提示する。これにより、設計者がゼロから検討する時間を大幅に削減し、過去の成功・失敗事例からの学びを促進する。
第二に、熟練設計者の思考プロセス可視化・共有ツールの開発である。熟練者が設計検討を行う際に、どのような観点で情報を収集し、どのような判断基準で設計パラメータを決定しているかを記録・可視化するツールを開発する。記録された思考プロセスは、タグ付けやコメント機能により他の設計者が参照・学習できる形式知として共有され、OJTを補完する。
第三に、設計レビュープロセスのデジタル化とコミュニケーション基盤の整備である。設計審査(レビュー)をオンライン上で実施できる環境を整備し、レビュー記録や指摘事項、承認プロセスを一元管理する。チャット機能やWeb会議システムを連携させ、設計者間の技術的な相談や情報共有を活性化させる。
2-2. 特に重要と考え、工夫したことこのDX企画策定にあたり、特に以下の3点を重視し、工夫した。
第一の工夫は、「熟練設計者の協力」をいかに引き出すかという点である。彼らの暗黙知はDXの成否を握る鍵であるが、自身のノウハウの開示や、新たなツール利用には抵抗感が予想された。そこで、企画初期段階から熟練設計者数名に「アドバイザー」として参画してもらい、ツールのコンセプトやUI設計に彼らの意見を積極的に反映させた。また、「自身のノウハウが若手に継承され、会社全体の設計力が向上することへの貢献」という意義を経営層からも繰り返し伝えてもらい、名誉や達成感といった非金銭的なインセンティブも意識した。思考プロセス可視化ツールも、負担感を軽減するため、極力シンプルな操作で記録できるよう工夫した。
第二の工夫は、**「スモールスタートとアジャイル的な改善」による効果の早期可視化とリスク低減である。全機能を一気に開発するのではなく、まず中核となる「類似設計検索・提案システム」のプロトタイプを短期間で開発し、特定の製品分野の設計チームで試行導入することにした。試行を通じて得られたフィードバック(検索精度、使い勝手、業務効果など)を基に、システムを継続的に改善し、段階的に対象範囲や機能(思考プロセス可視化、レビューデジタル化)を拡張していく計画とした。これにより、初期投資リスクを抑えつつ、現場の納得感を得ながら着実にDXを進めることを狙った。
第三の工夫は、「データ品質の担保と継続的な維持管理体制」**の設計である。過去データの構造化や思考プロセスの記録は、一度行えば終わりではない。データが陳腐化せず、継続的に活用されるためには、データの精度を維持し、最新化していく仕組みが不可欠である。そこで、データ入力・更新ルールを明確化するとともに、設計部門内に「データキュレーター」としての役割を担う担当者を任命し、データ品質管理と活用促進を継続的に行う体制を企画に盛り込んだ。AIモデルの再学習プロセスも計画に含め、システム性能の維持・向上を図ることとした。
(設問イ 字数:1574文字)
第3章 想定される阻害要因と対応策
3-1. 想定した阻害要因設問イで述べたDX企画を推進する上で、私は以下の3つの阻害要因を特に重要と考え、想定した。
第一に、**「既存の設計関連システムとの連携の複雑さ」である。B社では、CADシステム、部品表管理システム(BOM)、生産管理システムなどが個別に存在し、データ形式や連携インターフェースが統一されていなかった。新たに導入するプラットフォームとこれらの既存システム間で、データの整合性を保ちながらスムーズに連携させることは技術的に難易度が高く、開発遅延やデータ不整合のリスクが想定された。
第二に、「中堅・若手設計者の新ツール活用への抵抗感やスキル不足」である。新しいシステムやAIの提案に頼ることで、自身の設計スキルが向上しないのではないか、あるいはツールの操作習得に時間がかかり、かえって業務効率が低下するのではないか、といった不安や抵抗感が生まれる可能性があった。また、AIが出力した結果を鵜呑みにせず、批判的に評価し活用するためのデータリテラシーが不足していることも懸念された。
第三に、「短期的な成果が見えにくいことによる推進力の低下」**である。特に熟練者の思考プロセスの形式知化や、それによる若手のスキル向上といった効果は、比較的長い時間を要することが予想された。短期的な費用対効果が見えにくい中で、経営層や現場の関心が薄れ、DX推進の勢いが失速してしまうリスクがあった。
3-2. 阻害要因への対応策と経営層・事業部門の意図の反映これらの阻害要因に対し、経営層や設計部門(事業部門)と協議を重ね、彼らの意向を反映させながら以下の対応策をDX企画に盛り込んだ。
第一の「システム連携の複雑さ」に対しては、経営層から「既存システムへの影響を最小限に抑え、まずは新プラットフォームの価値を早期に示してほしい」との強い意向があった。これを踏まえ、当初検討していた既存システムとのリアルタイム双方向連携はスコープから一旦外し、新プラットフォーム側から既存システムのデータを参照・取り込む一方向の連携を基本とし、必要なデータのみをバッチ処理で連携する方式を採用した。これにより、技術的リスクと初期開発コストを低減し、早期の価値提供を優先した。将来的な双方向連携は、プラットフォームの有効性が確認された後の次期フェーズの課題と位置付けた。
第二の「中堅・若手設計者の抵抗感やスキル不足」については、設計部門長から「ツールの導入が目的化せず、あくまで設計者のスキルアップと業務効率化に繋がるようにしてほしい」との要望があった。この意向を受け、単なるツール操作研修だけでなく、①AI活用設計プロセスの意義と効果、②AIの提案を批判的に吟味する重要性、③過去事例から学ぶ効果的な方法、などを盛り込んだ実践的な研修プログラムを企画した。また、スモールスタートの中で、新ツール活用に積極的な若手設計者を「推進リーダー」として任命し、他のメンバーへのサポートや成功事例の共有を担ってもらうことで、現場からのボトムアップでの活用促進を図ることとした。
第三の「短期的な成果の遅れによる推進力低下」に対しては、経営企画部門から「DXの進捗と効果を定期的にモニタリングし、経営会議で報告できる仕組みが必要だ」との指摘があった。これに応えるため、KPI設定を工夫した。最終的なスキル継承効果に加え、より短期的に測定可能なKPIとして、「類似設計検索時間」「設計レビュー時間」「若手設計者による設計提案件数」などを設定し、3ヶ月ごとに効果測定と評価を行うプロセスを導入した。測定結果は定期的に経営層や設計部門に共有し、小さな成功体験を積み重ねて可視化することで、関係者のモチベーション維持と継続的な改善サイクルの確立を目指すこととした。
これらの対応策は、技術的な実現可能性だけでなく、関係者の意向や懸念を十分に考慮し、DX企画に反映させたものである。これにより、企画の承認を得るとともに、推進段階での手戻りリスクを低減することができたと考えている。
(設問ウ 字数:1196文字)
まとめ&参考書など
ありがとうございます。いかがでしたでしょうか。私は独学で試験に臨んでいたので、勉強はすべてgeminiにサポートしてもらいながら頑張っていました。もちろんITストラテジスト試験教官という観点で完璧というわけでもありませんが、自分が設定したケースに沿って様々なアドバイスをしてくれて本当にありがたかったです。
geminiだけだとちょっと話が一般論に偏りすぎるので、参考書も一通り目を通しておくのがおすすめです。私は新しいものはちょっと高かったので、ブックオフで古いものを買ったり色々組み合わせて勉強しておりました。広田先生のテクニックがとても分かりやすいのですが、ちょっと技巧的すぎる面もあるかな?と感じたので、広田先生の本+アイテックのオレンジの本(スタンダードな解説です)の組み合わせがおすすめです。広田先生の本は論文だけの薄いものでも基本的に同じことが書かれているので大丈夫かと思います。参考になりましたら幸いです。
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