- はじめに
情報系の資格ですが、システム開発を仕事にしている人に限ったものではなく、
今の世の中においては、かつての簿記やFP3級・秘書検のように
「とりあえず持っておいたほうがいいような気がする資格」にまで上り詰めているのではないかと思います。
ITと関わらずに仕事をするほうが難しいこのご時世、
しかしながら、高校の情報の授業が充実しているZ世代の皆さまならともかく、
我々のようなゆとりアラサー世代にとって、ITに関する知識は「気づいたら知っていたもの、身に着けていたもの」の積み上げでしかありません。
世の中的もこれはよろしくないということなのか、従業員全員にITパスポートを取得させるお話もチラホラと聞きます。
そんな2024年4月に、非エンジニアの私が約1週間の勉強でITパスポートを無事に取得することが出来ましたので、備忘録としてまとめておきます。何かの参考になりましたら幸いです。
- そもそもITパスポートって何?
iパスは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。
「ITパスポート」という名前には強い思いが込められています。
日本から世界に羽ばたく際に身分を証明するために「パスポート」が必要であるように、IT化が進んだ現代社会に羽ばたくために社会人として必要な基礎的能力を有していることを国が証明する試験(パスポート)として「ITパスポート」が誕生しました。
これから社会人となる学生や、いま社会で働く社会人に、ぜひ挑戦してもらいたい試験です。
【ITパスポート試験】iパスとは (ipa.go.jp)
ということで、IT化が進んだ現代社会に必要な能力をまとめといたからよろしく!というのがITパスポート試験です。よって、正直なところそもそも特別に難しい位置づけの試験ではありません。
- 身構えすぎず、ぜひチャレンジして頂きたい試験
「1週間で合格できた!すごいでしょ!」ではなく、「1週間あれば合格できる試験なのに、試験勉強を通してITに対する基礎知識が整理できて超おすすめ!」という思いで書いています。
まさしく名前の通り、パスポートとして現代に必要な内容がギュっとまとまっている試験です。
しかもCBT方式を採用しており、自分の都合で好きな日時に好きな場所で自由に受けることが出来ます。
CBT方式には便利に受けられるというだけではない大きなメリットがあり、なんと申し込み後でも試験を受ける日時を変更することが出来ます。(たしか試験3日前まで)
すなわち、1週間後に受けるつもりだった試験について、過去問をやっていたら思ったより厳しいからやっぱり1か月後に...といった変更が可能です。
そういう意味でもハードルは低いですし、十分に過去問が解けるタイミングになってから実際に受験すればいいので(勉強のモチベのためにも、まずはいったん申し込むのがお勧め)、ぜひ前向きにチャレンジして頂きたいなと思います。
- 前提となる勉強開始前のわたしのIT知識
そのかわり、小学生のころ、古の個人ホームページ時代(ジオシティーズとかのころ)にHTMLをメモ帳で書いて楽しんでいたことはありました。
また、RPGツクールGBというゲームが好きで、友達とゲームを作って遊んでいました。
もちろん古の個人サイト文化もRPGツクールも試験には出ませんが、そうした経験がITに対する抵抗感はなく、むしろ好きという気質に繋がり、これは勉強の上でプラスになったのではないかと思います。
業務においては、10年ほど営業・マーケティングといういわゆる文系っぽい仕事をしています。
もちろん仕事ではWindowsPC・Excel・PowerPoint・Outlook、最近ではTeamsといったMicrosoftがっつりプランでコンピュータに触れてはいますし、TableauやPowerBIやSASあたりでデータを見るぐらいはしますが、一度もコードを書いたことはありません。
- 合格までの流れ
- まず申し込みをする
ここが非常に大きかったのではないかと思うのですが、
勉強を開始する前にまず試験の申し込みをしました。
これは人によるとは思いますが、私は性格上おしりが決まっていないとなかなか頑張れないタイプだったので、明確に試験日を決めてあげることで「やらなきゃ」という気持ちになれたのではないかと思います。
このタイミングでは、試験日は「1か月後」で申し込みをしました。
Twitterをたどると、2024年4月20日(土)に、1か月後の5月25日(土)の試験申し込みをしているようです。 - いきなり過去問を解く→意外と解ける
ここから先はもう終始これなのですが、過去問道場というWebサイトでひたすら過去問を解きました。
そうすると、なんかよく分からないけど意外と解けるんですね。
実は、ITパスポートはIT(情報技術)の試験っぽい見た目をしていながら、本当のところ「テクノロジー」「マネジメント」「ストラテジー」の3分野にまたがるテストで、いわゆる技術っぽいのは「テクノロジー」の部分だけなんです。
合格条件は3分野の合計で30%正答(7割間違えてもいい)、かつ3分野それぞれで60%正答。
逆にいえば全体ですら4割間違えてもいいわけで、ぶっちゃけた話よく分かってなくても合格できてしまうところが正直あります。
さらに4択なので、よく分かっていなくても「空気的にこれだよな答え…」みたいなのも多く、とくにマネジメント・ストラテジー分野はそうした「読めば日本語的にわかってしまう」ものが多い印象です。 - 分からないところは解説&Copilot先生(ChatGPT先生)に聞く
もちろん、分からないところは全然分かりません。例えば二進数とかビット計算とかプロジェクトマネジメントとか。
これが平成の世であれば、やっぱ独学きついわ~という話になるのですが、
今回勉強してみて分かりましたが、令和の世にもう独学という言葉は存在しません。
分からないことは大体全部ChatGPT先生が教えてくれます。
そもそも過去問道場は解説がかなり充実しているので、それを理解していくだけでもなんとかなりますが、それがうまく読み解けない場合はGoogleで検索する or ChatGPT先生に聞く でほぼ何とかなるのではないかと思います。
無料で最新のGPT4が使えるWebサイトがMicrosoft Copilotになるので、こちらに聞きまくりました。
聞いてもよく分からないときは「ここがこう分からないから教えて」「いま言った〇〇って言葉の意味がそもそも分からないんだけど何?」と掘り下げて聞くこともできます。
相手が生身の人間であれば、深夜11時に5whyみたいなことをするとマジでキレられそうですが、ChatGPT先生はいつまでも付き合ってくれます。AI万歳。
個人的には、今回の学習を通してAIの最も有効な活用方法は生身の人間の教育ではないかとまで感じました。
人間にしかできないことってやっぱりたくさんあるのと、AIはあくまで道具なので、人間が成長するためにその力を借りるというのはすごく良いことな気がします。 - ある程度正解できるようになってきたので受験日を前倒す
3の最初の段階でも60%ぐらいの問題は解けていたように思うのですが、
過去問道場解説&ChatGPT先生レクチャーで知識をつけていくうちに、正答率が80%を超えるようになってきました。
この段階で、さすがにもういいだろうと試験日を前倒しています。
具体的には、勉強3日目の4月22日(月)に、試験日を4月27日(土)に変更しました。
Twitterのログによると22日の21時半ぐらいにそういう思いになったようです。
ちなみに、21日(日)にブックオフで100円で売っていた令和3年(=3年前)のITパスポートの本を買ったのですが、一周さらっと読んだぐらいでそれほど使いませんでした。 - ひたすら過去問道場を解く
その後も、基本的にはひたすら過去問道場を解いていきました。
正答率はトータルで9割に満たなかったものの、最初のほうはもっと間違えていたのでだいたいそのぐらいは答えられるようになっていき、最終的には589問の問題を解いていたようです。
以下、過去問道場のログです。(メールアドレスを登録しておくと、解答状況が記録できます)
間違えるたびに解説を読み、またChatGPT先生(Copilot)に質問をしていきました。 - 念のため最新シラバスをおさえておく&CBTを体験しておく
試験前日になると、過去問の正答状況も安定してきましたので
「過去問だけだとさすがに不安だな」と思い、最新の出題範囲を確認することにしました。
これについては、以下のWebサイトを参考にし、読んでも分からない部分はGoogle検索をしたりChatGPT先生に質問したりしました。
新聞やニュースなどどこかで聞いたことがあるような話も多かったので、確認にそこまで勉強負荷は感じなかったです。
また、ITパスポートを運営しているIPAのサイトでCBT試験の体験受験が出来るので(CBT疑似体験ソフトウェア)、そちらもやってみました。どうしても過去問道場は隙間時間にやる感じにはなるので、本番の問題数分の過去問を解くという意味ではいい経験が出来たかと思います。(CBT試験自体はそれほど変わった形式ではないので、特別に準備する必要はないかと思います) - 受験→合格!
前倒した4月27日にCBT試験を受験し、合格しました。
本番では過去問で見たことがない問題も出て焦りましたが、あくまで合格は60%。4割は間違えて大丈夫です。それほど焦らなくてもよかったのではないかと今は思います。焦るけど。
試験が終了すると一瞬で採点がされ、点数が表示されます。この瞬間に合否がほぼほぼ分かります。(ほぼほぼ、というのは一応正式な合格発表は受験翌月中旬にされるためです。おそらくカンニングなど不正行為があると外されるのかと)
試験から1時間ほどすると、ITパスポートのWEBサイトから自分の得点を確認できます。
私の場合はこんな感じでした。
なかなか良い点数だったと思いますが、正直、試験本番は「これもわかんない・・これもわかんない・・」と焦りながらやっていて、削除法で選んだ答えが良いほうに転んだ結果かと思います。(逆にいえば、分からなくても正解を選べてしまうといえばそういうことなのかなと)
最終的には5月中旬に正式な合格発表がされ(受験番号がWEBサイトに出ます)、その後合格証書が届きました。 - 受けてみた感想
これまでの自分のIT知識の整理になり、非常に良い機会だったと感じました。
また、試験日を前倒したことによりさすがに気持ち的な余裕がなくなったので、中学校・高校の定期テストぐらいには気合を入れてギュっと勉強できたのではないかと思います。
またこれまであまり資格試験、とくに国家試験にはまったく縁のなかった身としては、ITパスポートとはいえ「国家試験に受かったんだ・・!」というのは純粋にとても嬉しかったです。 - おすすめサイトへのリンク
以下、私が活用させて頂いたサイトへのリンクです。
→ITパスポートの公式Webサイト:申し込みはここから!
→ITパスポート 過去問道場:勉強はすべてここでOK!無料!神サイト!!
→Copilot:分からないことは全部Copilot(ChatGPT)先生に聞こう!!無料!!
→ITパスポートシラバス6.2/6.3対策:試験についての様々な情報をまとめてくださっているサイトです。
また、参考書については過去問道場の解説が充実しているのでそれほど必要性は高くないかと重いますが、私はブックオフで購入した以下の書籍を一読しました。
比較的分かりやすかったかと思います。令和6年最新版はこちらです。
基本的には過去問道場で問題は出来ますが、紙で勉強をしたい場合は問題集も便利かと思います。(ただし試験本番はCBT=PCでの試験です) - 皆さまの参考になれば
・勉強のモチベーションを高めるためにも、試験は先に申し込んでしまうのがおすすめ。あとで日程変更は可能。
・過去問道場で過去問が8割解けていれば、おおむね受かるのではないだろうか(仮説)
・正直よく分かってなくても日本語を読めば正答できてしまう問題も多い。
とくにその要素が強いシステム監査のところは知らないといってあきらめず、まずやってみる
・けっこう難しいことも範囲に含まれるので、頑張りすぎない。6割で受かる。