スクウェアから1999年に発売された超名作RPG「クロノクロス」。
未プレイの方はあの伝説のRPG「クロノトリガー」の続編という印象が強いかと思いますが、
また違う魅力を持った大人のゲームかなと個人的には思っています。
- アルニ村の村人は名言が多い
このアルニ村、ポケモン剣盾のエンジンシティかなというぐらい名言が飛び交うんですね。
パラレルワールドを冒険していくクロノクロスというゲームの特性上、
それぞれの世界で違う人生を送っている姿を見せる必要があるという都合もあるのかもしれませんが、とにかくこのアルニ村の皆さまの言葉は人生というものについて考えさせてくれます。
というわけでさっそく見ていきましょう。
人生の岐路について
もう10年も前になるかな、
俺が魚捕りになったのは。
当時いろいろ考えもしたけど、結局おやじのあとをついだんだ。
昔はオレにも、いろんな未来があった。
もし魚捕りになってなかったら……
10年前のあの時、別の生き方を
選んでいたら……?
その時は、きっと今とはちがう
別の生き方、別の人生が
あったんだろうなあ……。
それは別に、どっちがいいとか
わるいとかじゃなくて……
ただ、そういう道もたしかに
あったんだってことでな……。
長く生きれば生きただけ、
そうした、もしかしたら違う
生き方をしていた“自分”が
どんどん増えてゆくんだな。
ふう……。
やっかいなもんだな、生きるってことは……。
いやー、年を重ねれば重ねるほどふと思う「あのときこうしていたら?」「選ばなかった自分」にはどんな未来があったんでしょうか。
藤子・F・不二雄先生の「パラレル同窓会」を思い出しました。こちらも名作です。
生きる意味について
よろこびがなければ、
生きてることなんぞには、
なーんの意味もないんじゃぞ。
先ほどの漁師の父親の名言。わりと話が長い息子に比べて本質をズバッとつきます。
パラレルワールドでのこの親子の会話も本当に面白いので必見。
太陽と人生
やっぱりこうしてお天道様の
お顔をおがんで、ひねもす
のんびり過ごせれば、他には
もう何もいらないんだよねえ。
命の洗濯とはよく言った
ものだけど、私らのはかなり
くたびれてるから、たんねんに
洗わないとねえ。ほほ。
アルニ村の老人の会話。足るを知るが幸せの秘訣かもしれません。子ども時代について
のんきでいいわねえ、
チビ助どもは……。
わたし達にも、あんな頃、
あったんだよね。
なんの悩み事も、
心配事もなくて……。
一日がすごく長くて……
毎日毎日が新しくて、
おもしろいもので
いっぱいだったっけ。
子供のころの時間と今の時間って感じ方が全然違いますね。どこかで聞いたことがあるのが、時間というのは自分のこれまで過ごしてきた年齢を分母に、実際の物理的な時間を分子にして計算するということ。
例えば6歳の子の6時間は6時間÷6歳=1、30歳の大人の6時間は6時間÷30歳=0.2。
同じ時間でも6歳の子のほうが5倍長く感じるということですね。
科学的な話ではないですが、こんなことももしかしたらあるのかもしれません。
夢について
ちかごろの世の中、どうも
夢がなくっていけねえや。
へッ!
母と娘、紡がれる世代について
最近、キキのやつがどんどん
大きくなってゆくだろ?
時々ハッとするほど、うちの
ヤツに似た表情を見せるんだよ。
そう言や、うちのヤツも、
あれのおふくろさんに
そっくりなとこあったからなあ、
昔から……。
あーやって、親から子へ、
子から孫へと、じゅんぐりに
受け継がれてゆくんだろうな、
人の生きた証ってのは……。
いやーこれも分かる気がします。海の強さとやさしさについて
ほっ、そうじゃな。
海はいいもんじゃともなあ。
だがな、よいか、ユウキ、
海に心をゆるしてはならんぞ。
ふだんの海は、でかくて、
深くて……、
この世のなによりも強くて、
なによりもやさしい。
だがな、いったん怒りだすと
あっという間におそろしい
怪物になり、あらゆるものを
飲み込んでしまう……。
眼を閉じて耳をすませば、
ほら、聞こえるじゃろう?
海に飲み込まれた連中の声、
海が隠した秘密のささやきが?
おまえさんも海の機嫌をよめる
ようになっとくことじゃよ。
海の底で、連中の仲間入りを
したくなければ、な。
子どもの頃、私もよく海沿いで過ごしていたのですが水平線を眺めた美しい海の姿と、防波堤から真下を見たときの足がすくむような恐ろしさのどちらも持つその海に畏敬の念を持っていました。
今でもその気持ちは変わりません。海はきれいで、でも海には気は許せません。
自然と人の一生とについて
変わらないね、海は……。
わたし達が生まれるずっと前から
こうして、よせてはひいて……。
気が遠くなるくらいの
ながい、ながい時間……。
たくさんのものを見て、
たくさんの声を聞いて……。
わたし達がいなくなった後も
きっと何一つ変わらない……。
よせてはひいて……
ひいてはよせて……。
はかない人の一生と、変わらず寄せては引く波の美しさを讃えた名言。着眼点がもう紀貫之かなというレベルです。
思い出について

でも、不思議だよねえ、
思い出って。
もうすっかり忘れたと
思ってたのに、胸の奥から
いきなり浮かび上がって
来るんだもん。
じっと待ってるんだね、
ちょっとしたきっかけで
思い出してもらえる、
その時が来るまで……。
そう、今この瞬間だって
いつかふと思い出したり
する時が来るのかも……。
クロノクロス、引き続き楽しんでいきたいと思います。