こんにちは、にどねゆうきです。
なかなかのタイトルですが、人はなぜ借金をするのか。
あくまで行動経済学での例です。
あんまり深く考えると訳が分からなくなるので「サラ金」や「カードローン」で、必要性がそんなに高くないのにカジュアルにしてしまう借金のことを考えてみてください。
(そんなカジュアルに借金する人いる?!と思ったあなた。たくさんいるのです。運転免許をとるために借金をする方だっているのです。)
借金は仮に30万円だったとしても大変です。
30万円が払えないから30万を借りるわけです。ということは、そのお金は使ってしまい0になる。
それで33万円などを返さなければいけない。
仮にその返済までの期間での生活費が20万円かかるのであれば(適当)あわせて53万稼がなければいけないわけです。
30万円が払えない人になぜ53万円が稼げるのでしょう、というお話です。
そして53万円稼ぐ力があるのであれば、30万円ぐらい貯めておけよと。
というわけで、冷静な判断力があれば安易な借金はしないはずなのですが、人はついついしてしまう。そこにも行動経済学が絡んでくるのです。
今回も橋本先生の本を読んでいきます。
ここでは、つまり借金というのはどういうこと?が改めて整理されています。
借りたお金は何かに使う、という前提をとれば借金は「支払いを先送りにする行為」ということですね。
そして新しい言葉が出てきました。「異点時間の選択」。
本来「お金の支払い」と「それによって受け取る便益」は同時に起こるはず。
厳密にいえばNintendoSwitchを買ってから家に帰ってセッティングしてプレイするまでには若干の時間があったりするわけですが、あんまり固いことは言わないでください。
異点時間の選択ということは、つまり同時に起こるはずのもののタイミングをずらすと。支払いを後に、便益(お金を払うと受け取れるもの)を現在に持ってくるわけですね。
なんだそれだけかという話ですが、それだけのことが人間の判断能力をぶっ壊すのです。
喫煙でいうと「タバコを味わうとき」と「肺がんになるタイミング」が別。
ダイエットだと「美味しく味わうとき」と「太るとき」が別ということですね。
良いことが先にあり悪いことが後からくる場合、人は判断を誤りやすいのです。
これは即ち、すぐに発生するメリットを人は重視するということです。
これを人間の現在重視バイアスといいます。
本では中国の故事成語を使って分かりやすく説明されています。
猿の話だったりしますが、これはもちろん例え話。人間のことですね。
そしてこの現在重視バイアスの強さ、「目先の利益を優先する度」は人によって異なります。
ちょっと経済学っぽい用語になってしまうのですが「時間割引率」というモノサシで測ることができまして、これは「いま得られる利益」と「将来に得られる利益」の交換比率を表します。
「現在重視バイアスの強さ=目先の利益を優先する度=どのぐらい目先に欲しがるか度=時間割引率」ということですね。
この目先の利益を優先してしまう度、時間割引率は次のような実験で調べます。
この実験は、要するに喫煙者の方は1年後に貰えるお金が215円までだったら「今100円くれ」216円超えたら「一年待つわ」となると。
逆に非喫煙者の方は168円までだったら「今100円くれ」169円超えたら「一年待つわ」になっていたということですね。
うちの奥さんはかなり我慢強いタイプなのですが、やってみたところ「102円だったら
今もらうけど、103円以上なら1年待つ」でした。時間割引率2,3パーです。
私は200円ぐらいな気がします。待てないヤツです。
そんなこんなで、この時間割引率っていうのは人によってかなり異なるのですね。
現在重視バイアスは人によって強さが違うとはいえ、誰しもに存在する性質です。
自分が時間割引率が高い、我慢できない人間だったとしても落ち込む必要はありません。ただ受け入れればそれでよいのです。
この現在重視バイアスとの付き合い方について、橋本先生は次のように述べています。
要するに「自分は我慢ができないヤツやな~」という自覚を持っておけば開ける道もあるということです。
私も欲しいものがあるとすぐ欲しくなって、通販を待てずに買い物に行ったりするのですが、こうやってやたら急く(せく=せっかちなこと)のは自分の時間割引率が高いからだなあと思うと、自分を冷静に見ることが出来ます。
それに、私はカードローンも借りてないですしタバコも全くすみません。きちんと知識を衝けて勉強することで、自分の弱点を補い守ることも出来ます。
とはいえ自分の性質は性質なので、その買い物が大してコストがかからないのであれば買いに行ってしまった方が気持ちいいです。なんでも我慢はよくない。
自分は時間割引率が高いわけなので、早く手に入れたほうが喜びの気持ちがとても大きくなります。
なので、時には急くのもアリといえばアリなわけです。
けれどこれがすごく遠方までの買い物だったり、あまりにも急ぐ必要が本来ないものだったり、そもそもお金が足りなかったりしたら??
そういうときには、非合理な判断を自分がしてしまわないよう、くれぐれも気を付けなければいけません。
行動経済学を通して自分と向き合い、人生を豊かにする。
これこそ学問の醍醐味です。
なかなかのタイトルですが、人はなぜ借金をするのか。
あくまで行動経済学での例です。
あんまり深く考えると訳が分からなくなるので「サラ金」や「カードローン」で、必要性がそんなに高くないのにカジュアルにしてしまう借金のことを考えてみてください。
(そんなカジュアルに借金する人いる?!と思ったあなた。たくさんいるのです。運転免許をとるために借金をする方だっているのです。)
借金は仮に30万円だったとしても大変です。
30万円が払えないから30万を借りるわけです。ということは、そのお金は使ってしまい0になる。
それで33万円などを返さなければいけない。
仮にその返済までの期間での生活費が20万円かかるのであれば(適当)あわせて53万稼がなければいけないわけです。
30万円が払えない人になぜ53万円が稼げるのでしょう、というお話です。
そして53万円稼ぐ力があるのであれば、30万円ぐらい貯めておけよと。
というわけで、冷静な判断力があれば安易な借金はしないはずなのですが、人はついついしてしまう。そこにも行動経済学が絡んでくるのです。
今回も橋本先生の本を読んでいきます。
- 借金とはつまり「支払を先送りすること」
なぜ、借金をし続けてしまうのかを考えてみよう。
まずは、借金のプロセスを追ってみよう。
通常のカードローンの場合は、まずカード会員になったうえで借入れの申し込み手続きをする。銀行やコンビニのATMから現金を受け取る方法があるし、ネットで申し込んで、自分の銀行口座に振り込む方法もある。
いずれも、借りた時点で、自分の手元や口座に現金が入金される。
通常は、借りたお金を手元に長くおかず、何かの「支払い」に使う。
そのあとで「返済」を行う。
つまり、返済するのは、支払いの先である。
この行為を単純化すると、借金とは、実際の支払いを先送りすること、ということができる。
このように、何かを決めた時点と、実際に損失や利益を受ける時点が異なるものを「異点時間の選択」と呼ぶ。(橋本,2014,p48)
ここでは、つまり借金というのはどういうこと?が改めて整理されています。
借りたお金は何かに使う、という前提をとれば借金は「支払いを先送りにする行為」ということですね。
そして新しい言葉が出てきました。「異点時間の選択」。
本来「お金の支払い」と「それによって受け取る便益」は同時に起こるはず。
厳密にいえばNintendoSwitchを買ってから家に帰ってセッティングしてプレイするまでには若干の時間があったりするわけですが、あんまり固いことは言わないでください。
異点時間の選択ということは、つまり同時に起こるはずのもののタイミングをずらすと。支払いを後に、便益(お金を払うと受け取れるもの)を現在に持ってくるわけですね。
- 人は目先の利益を優先してしまう(現在重視バイアス)
なんだそれだけかという話ですが、それだけのことが人間の判断能力をぶっ壊すのです。
こうした場合、「非合理な意思決定」をしてしまいがちなのである。
身近なものでは、禁煙やダイエットだ。やめないと肺ガンのリスクがあることを知っていながら、タバコがやめられずに、吸い続けてしまう人は多い。
また、後から体重が増えることがわかっていながら、目の前の美味しそうなケーキに、手が伸びてしまうのを体験したことのある人は多いのではないか。(橋本,2014,p49)
喫煙でいうと「タバコを味わうとき」と「肺がんになるタイミング」が別。
ダイエットだと「美味しく味わうとき」と「太るとき」が別ということですね。
良いことが先にあり悪いことが後からくる場合、人は判断を誤りやすいのです。
これは即ち、すぐに発生するメリットを人は重視するということです。
これを人間の現在重視バイアスといいます。
本では中国の故事成語を使って分かりやすく説明されています。
中国の故事に由来する「朝三暮四」という言葉がある。
春秋時代、宋の国に猿好きの老人がいた。
猿が増えて家計が苦しくなったために餌を減らそうとして、
「これからはどんぐりの実を、朝に三つ、暮に四つやる」と言ったところ、猿は「少ない」と怒った。
ところが、「では、朝に四つ、暮に三つやる」と言い直したところ、猿は喜んで承知したというものだ。
同じ意味のことわざに、「掌中の一羽は叢中の二鳥に値する」というものもある。
叢中とは、草むらの中の意である。
いずれも、今すぐに手に入るものは、後から手に入るものよりも価値がある、と感じてしまうということを示すものだ。
人間はだれしも、将来の利益より目先の利益を優先する傾向を持っている。
(橋本,2014,p50)
猿の話だったりしますが、これはもちろん例え話。人間のことですね。
そしてこの現在重視バイアスの強さ、「目先の利益を優先する度」は人によって異なります。
ちょっと経済学っぽい用語になってしまうのですが「時間割引率」というモノサシで測ることができまして、これは「いま得られる利益」と「将来に得られる利益」の交換比率を表します。
「現在重視バイアスの強さ=目先の利益を優先する度=どのぐらい目先に欲しがるか度=時間割引率」ということですね。
- 時間割引率の調べ方
この目先の利益を優先してしまう度、時間割引率は次のような実験で調べます。
例えば、ある人が、
「今日もらえる100円と、1年後にもらえる150円、どちらを取りますか?」
という質問をされたときに、これらが等価だと考えたならば、その割引率は50%となる。
ある実験では、喫煙者は時間割引率が高いという結果が出ている。
現在の100円と等価な1年後の金額は、タバコを吸う人では平均216円。
対してタバコを吸わない人の平均値は169円という。
喫煙者ほど、将来のリスクよりも、現在のタバコを吸う気持ち良さを重視すると言える。
このように評価対象の価値は、時間が過ぎるほどに下がる。(橋本,2014,p50)
この実験は、要するに喫煙者の方は1年後に貰えるお金が215円までだったら「今100円くれ」216円超えたら「一年待つわ」となると。
逆に非喫煙者の方は168円までだったら「今100円くれ」169円超えたら「一年待つわ」になっていたということですね。
うちの奥さんはかなり我慢強いタイプなのですが、やってみたところ「102円だったら
今もらうけど、103円以上なら1年待つ」でした。時間割引率2,3パーです。
私は200円ぐらいな気がします。待てないヤツです。
そんなこんなで、この時間割引率っていうのは人によってかなり異なるのですね。
- 現在重視バイアスとの付き合い方
現在重視バイアスは人によって強さが違うとはいえ、誰しもに存在する性質です。
自分が時間割引率が高い、我慢できない人間だったとしても落ち込む必要はありません。ただ受け入れればそれでよいのです。
この現在重視バイアスとの付き合い方について、橋本先生は次のように述べています。
現在を重視するバイアスを「現在重視バイアス」と呼ぶ。
人間のこの特性は、借金をしてしまう際に大きく影響する。
今、買いたいものを買うために、目先に手に入れられるお金があれば、借金で手に入れてしまう。
この行為は、度合いの違いはあれ、誰もが行ってしまう可能性がある。
重要なのは、行動経済学で明らかにされた、このような知見を知っておくことだ。
自分が取るかもしれない非合理な行動を知っておけば、無意識のうちに行ってしまう危険を避けることができる。自分の行動をコントロールできるのだ。
これが借金を避けることや、利息という無駄な出費を減らすことにつながるだろう。(橋本,2014,p51)
要するに「自分は我慢ができないヤツやな~」という自覚を持っておけば開ける道もあるということです。
私も欲しいものがあるとすぐ欲しくなって、通販を待てずに買い物に行ったりするのですが、こうやってやたら急く(せく=せっかちなこと)のは自分の時間割引率が高いからだなあと思うと、自分を冷静に見ることが出来ます。
それに、私はカードローンも借りてないですしタバコも全くすみません。きちんと知識を衝けて勉強することで、自分の弱点を補い守ることも出来ます。
とはいえ自分の性質は性質なので、その買い物が大してコストがかからないのであれば買いに行ってしまった方が気持ちいいです。なんでも我慢はよくない。
自分は時間割引率が高いわけなので、早く手に入れたほうが喜びの気持ちがとても大きくなります。
なので、時には急くのもアリといえばアリなわけです。
けれどこれがすごく遠方までの買い物だったり、あまりにも急ぐ必要が本来ないものだったり、そもそもお金が足りなかったりしたら??
そういうときには、非合理な判断を自分がしてしまわないよう、くれぐれも気を付けなければいけません。
行動経済学を通して自分と向き合い、人生を豊かにする。
これこそ学問の醍醐味です。