【ハンターハンター考察】作中最強に最も近かったのは天空闘技場のカストロではないか?

日記



こんにちは、にどねゆうきです。



みなさんは『HUNTER×HUNTER(ハンターハンター)』のキャラクターの中で、誰が一番「惜しい男」だと思いますか?



団長に完敗したヒソカ? 陰獣のみなさん? いいえ、違います。圧倒的なナンバーワンは、天空闘技場編でヒソカと戦い、壮絶に散っていったあの男――カストロです。



白髪のロングヘアが似合う圧倒的なイケメンで、物腰は柔らかく礼儀正しい。キルアがお部屋訪問したシーンを見るだけでも、非常に優れた人格の持ち主です。いい男。
しかも実力は天空闘技場のトップクラス(フロアマスターに最も近い男)。これだけ要素が揃っていれば、後半の「キメラアント編」や「王位継承戦編」でクラピカやゴンの頼れる兄貴分として大活躍していてもおかしくなかったはずです。ドッジボールに「俺が2人分になる・・!」とか言って黒のカストロと白のカストロがいてもいい気がしてきませんか?



作中では、対戦相手のヒソカから「容量(メモリ)のムダ使い」と冷酷にバッサリ切り捨てられ、ただの噛ませ犬として退場してしまったカストロ。しかし、本当に彼はそれだけの男だったのでしょうか?



今回は、作中描写を強引に解釈「実はカストロは作中最強になれる器だったのではないか?」という仮説を検証してみたいと思います。







「カストロ作中最強説」を検証してみる



1. ヒソカの両腕を物理的に切断したという「前人未到の戦果」



まず、何はともあれ評価しなければならないのが、「あのヒソカの両腕を戦闘中に完全切断した」という、狂気じみた戦績です。カストロ粘着アンチ(いるのか)でもこれだけは認めざるを得ない戦果かと思います。



ハンターハンターの読者なら誰もが知っている通り、ヒソカは作中屈指の戦闘狂であり、底が知れない怪物です。後に幻影旅団の団長であるクロロ・ルシルフルがヒソカと戦った際、クロロは「確実に勝つ」ために、複数の念能力をあらかじめ盗んで組み合わせ、さらに闘技場の観客や審判の命まで巻き込むという、文字通り「万全すぎる準備」を整えてようやくヒソカを爆殺しました。あのクロロをして、そこまで警戒させたのがヒソカという男です。



そんなヒソカに対し、カストロは何の下準備もなく、真っ向からのタイマン(一騎打ち)で両腕を同時にもぎ取っているのです。これは異常事態以外の何物でもありません。



「いや、あれはヒソカが手品(マジック)を成立させるためにわざと斬らせただけでしょ?」と言う意見もあるでしょう。確かにそうです。しかし、いくらわざと斬らせたとはいえ、ヒソカは「強化系」に極めて近い「変化系」の念能力者。当然、その肉体はオーラでガチガチに防御されていたはずです。



そのヒソカの防御力を軽々とぶち破り、人間の腕を骨ごとスパスパと切断したカストロの「虎咬拳(ここうけん)」の破壊力。この純粋な攻撃力だけで言えば、幻影旅団のウボォーギンのパンチや、キメラアントの師団長クラスの攻撃にも匹敵するレベルだった強引に解釈できます。マチの「念糸縫合」というチート治療がなければ、ヒソカはこの時点で詰んでいました。カストロの攻撃力は間違いなく本物だったのです。



2. 独自に編み出した「ダブル(分身)」はネテロ会長と同じ領域!?



ヒソカに「容量(メモリ)のムダ使い」と酷評されたカストロの代名詞、それが自分自身の分身を創り出す能力「ダブル」です。



カストロの本来の系統は「強化系」。そして、自分そっくりの分身を形にするのは「具現化系」、その分身を自分の意志通りに動かすのは「操作系」の能力です。念の六性図において、強化系から最も遠く、最も習得率が低い(40%しか引き出せない)のが、この具現化系と操作系です。



……いや、これって逆に凄すぎませんか?



自分と最も相性の悪い系統の能力を、戦闘の最前線で、しかもあのヒソカの五感を一瞬とはいえ完璧に欺くレベルで実用化させているのです。並大抵の念能力者なら、自分の得意系統ですらまともな技を作れずに終わる世界です。それなのにカストロは、相性最悪の「無から人間を一人作って操作する」という神の領域に近い技を、独学(あるいは我流の修行)で完成させているのです。



これほどの芸当を成し遂げるためには、カストロが元々持っていたオーラの総量(潜在メモリ)が、常人の数百倍、数千倍、それこそネテロ会長や護衛軍レベルでなければ絶対に計算が合いません。



作中で、全系統の能力を高いレベルで複合させていたキャラクターといえば、あのハンター協会最高責任者、アイザック=ネテロ会長の「百式観音」が挙げられます(具現化、操作、放出、強化のハイブリッド)。つまり、カストロがやろうとしていたことは、奇しくもネテロ会長と同じ「全系統複合型の神の領域」だったのです。もし、彼がこの底なしのメモリを正しい方向に使い、強化系をベースにした正しい育成をしていれば、キメラアントの王・メルエムすらタイマンで圧倒する「作中最強キャラ」になっていた可能性が極めて高いと言えます。



3. ヒソカが「舞い上がった」本当の理由



戦闘の終盤、ヒソカはカストロに対して「君の敗因は容量(メモリ)のムダ使い」「舞い上がっているよ」と冷酷に言い放ちました。これは一般的に「新技(ダブル)を覚えて図に乗っている」という意味で解釈されています。



しかし、ここも強引に深読みしてみましょう。本当にヒソカは余裕だったのでしょうか?



実はヒソカは、カストロの底知れないポテンシャル(最遠の系統を強引に形にする異常な才能)を目の当たりにし、内部で激しく動揺していたのではないでしょうか。「こいつ、今はまだメモリの無駄遣いをしてくれているから勝てるが、もし戦いの中で自分の間違いに気付き、能力を最適化されたら、次は絶対に俺が殺される……!」という、かつてない恐怖と焦りを感じたはずです。



だからこそヒソカは、自分の命を危険にさらしてまで「両腕を切断される手品」という命がけのブラフを仕掛け、カストロの精神を徹底的に揺さぶりました。まともに戦ったら危ないからこそ、心理戦とハメ技で早急にカストロの心をへし折り、未完の大器を「青い果実」の段階で慌てて刈り取ったのです。ヒソカがそこまで必死になるほど、カストロの潜在能力は恐ろしかったのだ、と考えればすべての辻褄が合います。



4. 非の打ち所がないパーフェクトな人間性とビジュアル



さらに素晴らしいのがカストロの人間性です。実力者でありながら傲慢さは微塵もなく、年下のキルアに対しても優しく、紳士的に接していました。ゴンやキルアの隠れたポテンシャルにも一目で気づくなど、視野が広く、指導者としての素質も十分。



甘いマスクに抜群のスタイル、そして華のあるファイトスタイル。天空闘技場で絶大な人気を誇るアイドル的存在だったのも当然です。強くて、カッコよくて、性格もいい。まさに完璧超人、それがカストロという男でした。







第2部:なお現実



――と、ここまでカストロ最強説を検証し、彼の魅力を盛りに盛ってみました。



我ながら完璧なカストロ擁護論です。これならカストロのファンも成仏できることでしょう。



…さて、現実を見ましょう。



「いや、カストロさん。2年も必死に修行して、結局それだけですか……!?」



冷静になって、作中の時の流れと他のキャラクターの成長スピードを比較してみましょう。ここからカストロという男の「圧倒的な残念さ」が浮き彫りになります。



ツッコミ1:ゴン・キルアの成長速度と比べた時の「絶望的な遅さ」



カストロは、過去にヒソカに敗北してから、死に物狂いで「2年間」の修行を積んだと語っていました。2年です。730日です。気が遠くなるような時間です。



では、本作の主人公であるゴンとキルアを見てみましょう。彼らは念能力の「ね」の字も知らない、ただの一般人の状態からスタートして、ウイングさんに無理やり念の穴を開けられ、そこからわずか数ヶ月で天空闘技場の闘士たちを圧倒。さらにその数ヶ月後(グリードアイランド編)には、爆弾魔ゲンスルーを撃破。さらにそこから1年も経たないうちに、キメラアントの師団長クラスをボコボコにし、最終的にゴンにいたっては世界最強クラスのネフェルピトーを文字通り粉砕しています。



クラピカにいたっては、念を習得してからわずか半年足らずで、幻影旅団のウボォーギンの命を奪っています。



そんな天才たちがひしめく世界の中で、我が推しのカストロさん。大人の貴重な2年間という歳月をすべて注ぎ込んで開発したのが、「自分そっくりの幻を1体出して、ちょっと相手をびっくりさせる」という、コスパ最悪のびっくり人間コンテスト用の一発芸でした。



タイムパフォーマンスが悪すぎます。ゴンやキルアが新幹線並みのスピードで強くなっていく中、カストロさんは一人だけ、2年間じっくりとカタツムリの歩みで、しかも間違った方向へ進んでいたことになります。悲しすぎます。



ツッコミ2:自己分析能力が致命的に「ゼロ」なポンコツっぷり



カストロの最大の悲劇は、「誰も彼の暴走を止めなかったこと」にあります。念能力を修行する際、一番大切なのは「自分の適性(系統)を知ること」です。クラピカが「絶対時間(エンペラータイム)」というチート能力を使えるのは、彼が特質系だからであり、自身の命を削るという強烈な制約(リスク)をかけているからです。



しかしカストロさんは、特に制約をかけるでもなく、ただ「ヒソカを驚かせたい!」という一心だけで、自分の脳内メモリを具現化・操作系に全振りしてしまいました。



修行している2年間のどこかで、「あれ? 俺、強化系なのに分身出すのめちゃくちゃ疲れるな……」「もしかして俺、絶望的にこれ向いてないんじゃないか?」と気づくタイミングはいくらでもあったはずです。虎咬拳のキレを10倍に磨いた方が遥かに強いことに、なぜ誰も突っ込まなかったのか。天空闘技場の彼のファンの女の子たちも「カストロ様、その修行間違ってます!」と教えてあげるべきでした。彼は2年間、ただただ自分の燃費の悪さに気づかないまま、悦に浸っていたポンコツだったのです。



ツッコミ3:ヒソカがガッカリして萎えただけの戦闘終了間際



先ほどは「ヒソカがカストロの才能を恐れて早めに潰した」と強引に解釈しましたが、現実のヒソカの心理はもっと残酷でした。



ヒソカがカストロのダブルのタネ(汚れがつかない、本体しか息が乱れていない等)を見破った瞬間、ヒソカのあの冷めきった目を見てください。あれは恐怖の目ではありません。楽しみにしていた高級レストランの料理が、ただの冷凍食品だったと知った時の「絶望的なガッカリ感」です。



ヒソカからすれば、「2年前に戦ったあの良い素材(カストロ)が、どれだけ美味しく実っているかと思ったら、なんか容量オーバーで中身スカスカの、一番美味しくない育ち方をしてた」という状態です。だからこそ、戦う価値すら見出せなくなり、手品でサクッと精神を壊して、ゴミ箱に捨てるように処理したわけです。「舞い上がっているよ」というセリフは、ヒソカの心からの「お前、本当にガッカリだわ……」という呆れ声だったのです。







まとめ:努力の方向性を間違えた、愛すべき「残念なイケメン」



いかがでしたでしょうか。



今回は「最強説」と「現実」の二面からカストロに注目してみました。



どんなに強引な理屈で持ち上げようとしても、最終的には「顔と性格は完璧なのに、致命的に要領が悪くて自己分析ができない残念なイケメン」という悲しい結論に美しく着地してしまうのが、カストロという男の最大の魅力(?)なのかもしれません。残念なイケメンってむしろいいですよね。



もし彼が、最初からウイングさんやビスケのようなまともな指導者に出会っていれば、本当に作中最強クラスの強化系ハンターになっていたかもしれないと思うと、やはり惜しいキャラクターでしたね。彼の残した「虎咬拳」のロマンと、メモリの無駄遣いという偉大な教訓を、私たちはこれからも語り継いでいきましょう!ご一読頂きありがとうございました。























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