こんにちは、にどねゆうきです。
日本を代表する名作推理漫画「名探偵コナン」。

その影響力すさまじく、鳥取空港には「鳥取砂丘コナン空港」という愛称までついてます。すごく事件の起きそうな名前で心配ですが、逆に魔除けになっているのでしょう。



鳥取といえば境港の水木しげるロードも魚は旨いわ妖怪は可愛いわで最高ですね。


妖怪で魔除けをする文化が鳥取にあるとすれば、コナンも妖怪の一種でしょうか。
国道9号線がベイカーストリートと呼ばれる日も遠くないかもしれません。



というわけで、今度はリゾートマンションの展示会に訪れたコナン一行がいつものように連続殺人事件に巻き込まれるという物騒なお話です。

ちょうど先日、無事にクリアしましたので感想を書いていきたいと思います。




 ▼作品情報
ジャンル推理アドベンチャー
対応機種ゲームボーイアドバンス(GBA)
発売元バンプレスト
人数1人
発売日2005年4月21日
(パッケージから作成)


 1.ここが面白い  
  • 名探偵コナンの完璧なゲーム化

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ここまで見事に漫画(アニメ)をゲーム化出来るものなのかと感動しました。
私も長くゲームをやっていますので、いろんなキャラゲーをやってきたものですが、キャラゲーってだいたいアクションゲームかRPGになることが多い。
もちろん面白いのですが、文字通りキャラクターを使ったゲームという感じで作品本編とはまた違うアプローチという印象を受けていたものです。

ですが、この「暁のモニュメント」のジャンルは「推理アドベンチャーゲーム」。
推理漫画である名探偵コナンとの相性は抜群で、まさに「自分で操作できる名探偵コナン」という感じです。

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シナリオも名探偵コナンらしく練られており、劇場版かTVスペシャルのようなボリューム。
次々と起こる連続殺人事件。阻止できない悔しさに、どんどんコナンに感情移入してしまいます。

もちろん事件が起こる前の前振り部分からプレイできるのですが、平和に進んでいく物語を楽しんでいると本当に「まさかこの後殺人事件が起こるとは知る由もなかった...」な気分になります。
事件なんて起こらないに越したことはないですね。


  • アニメ版準拠の演出が「コナン気分」を盛り上げてくれる
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基本的には良質なシナリオによって「名探偵コナンのゲーム」としての完成度を飛躍的に高めているこのゲームですが、それをサポートするのが「コナンっぽい演出」の数々です。

例えば、このゲームでは71にもおよぶ「FILE」というチャプター(中間セーブが出来る区切り)を進めていくことになるのですが、その区切りごとにこの扉が\ギイイーバァーン/と開け閉めされて気分を盛り上げてくれます。

GBAの少ない容量をこのムービーの投入につぎ込んだ開発陣。まさに英断だと思います。

タイトル画面ではいつものメインテーマ曲が流れてますし、プレイ中のBGMもアニメ版っぽい感じになってますし、「そうか分かったぞ!」というときには\トゥクンッ/というSEが鳴り、ニュータイプっぽく光ってくれます。


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ゲームの冒頭ではいつも通りものすごく唐突に「身体は子供、頭脳は大人」もやってくれます。ドヤ顔に思わず笑ってしまいますが、これもコナン気分を盛り上げてくれます。



  • 逆転裁判的なシステムで、前知識なく軽快に進められる
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操作がとても簡単なのも「暁のモニュメント」の特徴。
基本的には「逆転裁判」シリーズと同じで、「つきつける」だけが出来る逆転裁判という感じです。

逆転裁判が2001年の発売、こちらの暁のモニュメントが2005年の発売ということで、すっかりGBAの推理ゲームの代名詞が逆転裁判になっている中での開発・発売は本当に大変だったと思います。

なんとか逆転裁判との差を出そうと苦慮している部分が見受けられ、
『人物ファイル・証拠品ファイル・証言をすべて「ファクタ」としてひとまとめにする』
『「つきつける」間には時間制限を設けてハラハラさせる』
などのアプローチを行っています。

逆転裁判方式の完成度が高すぎて、すべてストレスにしかならないのは残念ですが
それでも十分にとっつきやすく、シナリオに集中出来る環境を作ってくれています。





 2.ここはクセある  


  • 容疑者24人全員への事情聴取が地獄
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もう悪名高いというか、このゲームの代名詞になっているのが「24人連続での事情聴取」です。
蘭と園子を入れるとなんと26人になります。

おそらく軽く2時間以上かかるのではないでしょうか。

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もう小五郎が言ってしまっていますが、完全に「作業」です。
ひたすら一人ずつに被害者との関係、犯行時刻のアリバイを確認していきます。

ですが、実際の警察や漫画の中のコナン君たちは毎回毎回事件があるたびにこれを全部やっているんですよね...しかも一挙一動に気を配って、何か事件の解決につながる情報がないかと切り口を探す。
気の遠くなるような道程です。
本当に警察の皆さまに頭の下がる思いで、そういった大変さを身をもって味わえるという意味で素晴らしいゲームだと思います。


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骨は折れますがつまらないというわけではなく、根気は求められるものの、推理ゲームとしてこの事情聴取も面白いです。ゲームの山場ですね。
次々と新しい証拠や人間関係が明らかになるという意味でも事情聴取の醍醐味を味わえます。

終わってみればいい思い出ということで、これをやらせ切るだけの面白さがあるということは素晴らしいなと思います。キャラクターが生き生きとしたテキストのおかげで続きが見たくなりますね。





 3.まとめ評価  

「名探偵コナンのゲーム」として見事に仕上げられた一作です。
コナンらしいストーリー、コナンらしい演出、コナンらしい推理とトリック。

多少の不便はあるものの、2021年の今プレイしてもまったく古さを感じさせず、システム的にも高い完成度を誇ります。

コナンの原作は15巻ぐらいで脱落し、映画は2作目の14番目の標的(ターゲット)までしか見ていない私でも大いに楽しめました。コナンの正体を知っているぐらいの認識があれば楽しめるおすすめの一本です。

いつものように遊ぶ環境を用意するところが最も高いハードルとなりますが、お手元にゲームボーイアドバンスがある方はぜひ遊んでみてくださいね。