こんにちは、にどねゆうきです。
皆さまパラリンピック楽しんでいらっしゃいますか??

オリンピックもとても楽しかったですが、パラリンピックはまた違った魅力でめちゃくちゃ面白いです。まだ見ていらっしゃらない方はぜひNHKのサイトからご覧ください。
無料で見られます(すごい)。



とはいえ無料といいますか、例によってこれ私たちの税金で行われているパラリンピックと私たちの受信料で実施されているライブ配信ですからね!!
強制的に契約させられているサブスクみたいなものです。少しでも取り返すべく楽しみましょう。


  • パラリンピックのここが面白い
さて、今日でパラリンピックも3日目。
私が思うここまで中継を見てきての魅力を書いて参ります。

1.一人ひとり障害が違うのでアプローチが面白い
障害が運動に与える影響を「クラス分け」することで、例えば足に障害がある方と腕に障害がある方の対戦を見られるのがパラリンピック。

当然選手ごとに「どう試合に勝つか」というアプローチが異なりますので、その戦術がとても見ごたえがあり面白いです。

2.充実した解説
前述の「選手ごとの障害」や「試合へのアプローチ」については前知識がないと分からない部分も正直あるのですが、中継の解説での解説がとても充実。前知識なしに楽しめます。

ぶっちゃけて言うと、運動音痴の私としては日ごろからスポーツ中継って見ていてよく分からない点が多々あり(今のパスが良かったのかどうかみたいな)、
パラリンピックの丁寧な解説は流れてくる映像の情報量を何倍にもしてくれ、とても面白いものにしてくれます。

3.だんだんルールが分かってくるのが面白い
パラリンピックは見た目は似ていても普通のスポーツと「勝負所」が結構違っていたりして、それがまた新鮮で面白いです。



例えば昨日「車いすラグビー」の初戦が行われていたのですが、日本対フランス戦ではフランスが1点をリードする展開がずっと続いていました。
日本チームの動きが非常によく、何度も何度も同点に追いつくんですよね。でもすぐに1点離されてなかなか追い越すには至らない。点が入らないわけではないのに1点が重い

なんでかなあと思って見ていると、「攻撃は交互に行う(トライをしたら相手ボールになる)」というルールと、
「めったにボールを奪えない」「攻撃を防ぐのが非常に難しい」という車いすという乗り物の特性から、お互い1点ずつ順番に点数を入れていく展開になるんですね。
なので1点差が埋まれてしまうとそれを縮めるのが非常に難しい。

そしてボールがなかなか奪えないので「どちらにボールがあるか」というのがとても大事になってきます。
なので「40秒以内にゴールしないと相手ボールになる」というバイオレーションルールはほとんど重い重い1失点を意味し、絶対に避けたいファウルになります。なのでタイムアウトとかどんどん使っていくわけですね。

このルールの存在により、攻める側もずっとボールをキープしていることは出来ず、どんどん攻めなければいけません。
そしてブロックするのが難しいとはいえ不可能ではありません。お互いに攻めあぐねる場面は何度も何度もありました。ブロックができたときの意味は非常に大きいわけですね。
なので攻め側は攻めて攻めて攻めまくり、守る側は1秒でも長くゴールされないように守ってバイオレーションを狙っていくということになります。1点差がつくとえらいことになるので毎回超真剣勝負

まさに手に汗を握る試合でした。



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(※車いすラグビー協会のウェブサイトより)


19年のラグビーワールドカップのときにも思ったのですが、
知らないスポーツのルールがだんだん分かってくるのって本当に楽しい。
今回のパラリンピックの充実した解説で「面白みが分かる」という楽しさを思う存分味わえるのがもうたまりません。


4.出場選手の背景がさまざま
専属のプロスポーツ選手もいらっしゃるんだろうなとは思いますが、
パラリンピックではたくさんの「日頃はスポーツ以外の仕事を持っている方」が出場されています。

たとえば医師、たとえば看護師。
医師の選手は在宅治療のコロナ患者に向けての電話問診など、コロナ禍で精力的に活動されているそうです。
ほかにも国際空港のCEOを勤めるビジネスマンなど日頃様々なお仕事をされている方がいらっしゃいます。

これはもしかしたらオリンピックもそうなのかもしれませんが(大河ドラマいだてんでは主人公の金栗四三は教師、ライバルのラザロ選手は大工)、
パラリンピックではより選手の日常に焦点を当てた解説をしてくれるので、その人柄がとても分かりやすい。
オリンピック以上に参加者の年齢も幅広く、「大運動会」的なお祭り感が本当に楽しいです。



  • 「パラリンピックの楽しみ方(藤田紀昭)」
さて、さんざん脱線しましたが今回紹介させて頂く一冊「パラリンピックの楽しみ方」。

表紙に「ルールから知られざる歴史まで」と書いてありますがまさにそんな感じの一冊で、それぞれの競技の成り立ちとルールが説明され、かつパラリンピック大会や障碍者スポーツについて詳細にまとめられています。

とくにパラリンピック界、日本における障害者スポーツ界において大きな役割を果たした、前回の「東京パラリンピック(1964)」については大きくページが割かれ紹介されています。

競技日程表が全部載っていたり、開催資金をどうやって集めたかのエピソードなどもたくさん紹介されていて非常に読みごたえがあります。

また冬季の長野パラリンピックも大きく紹介されているほか、パラスポーツが日本でどのように注目されてきたのかというマスメディアのデータ分析などもとても興味深いです。

日本国内において、今のようにパラリンピックが純粋にスポーツとして大きく取り上げられるようになったのは2000年のシドニーパラリンピックからだとか「そうだったんだ!」というニュースがたくさん。(それまで新聞の社会面で報道されていたパラリンピックが、スポーツ面で紹介されることのほうが多くなったのがこのシドニーパラリンピックだそうです)

平成生まれの私は正直「パラスポーツがスポーツとして紹介されていない状況(福祉面が注目されている状況)」のほうがよく分からないのですが、様々な歴史を経て今があるのだなと思うと感慨深いものがあります。

また、異なる障害を持った方同士でのスポーツを実現しているパラリンピックの「クラス分け」についても詳細に説明がされており、「テレビ中継でクラス分けがあることは理解できたけどどうやってやっているんだろう?」という疑問に答えてくれます。

文字のサイズも大きく(小学生が読む伝記の本ぐらい)とても読みやすい一冊。ぜひ手に取って頂き、より東京パラリンピックを楽しまれてくださいね。

なお冬季種目やパラリンピックから外れた種目、これから盛り上がりが期待されている種目も紹介されています。触れられている種目は以下です。(紹介順)


■夏の競技
・アーチェリー
・陸上競技
・ボッチャ
・カヌー
・自転車
・馬術
・5人制サッカー(ブラインドサッカー)
・ゴールボール
・柔道
・パワーリフティング
・ボート
・射撃
・水泳
・卓球
・トライアスロン
・シッティングバレーボール
・車いすバスケットボール
・車いすフェンシング
・ウィルチェアーラグビー(車いすラグビー)
・車いすテニス
・バドミントン
・テコンドー

■冬の競技
・アルペンスキー
・バイアスロン
・クロスカントリースキー
・アイススレッジホッケー
・車いすカーリング

■過去に行われていた競技
・ダーチャリー
・スヌーカー
・ローンボウルズ
・アイススレッジスピードレース
・車いすスラローム

■これからの採用が期待される競技
・電動車いすサッカー
・車いすダンス
・障害者ゴルフ
・グランドソフトボール
(目次より)