こんにちは、にどねゆうきです。
前回の記事に続き、ガンダムゲームのお話です。
私が子供のころ、やたらガンダムゲームは豊作が続いておりました。
「宇宙で戦うってこういう感じなのか!」とすさまじいスピード感で宇宙戦争を表現してくれた
PS2の「機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙」。
ハイパーバズーカ2本持ちの最終決戦仕様RX-78-2が格好良すぎます。
そして、ゲームキューブのボタンをすべて使う鬼畜操作ながら、
慣れれば自由自在にモビルスーツを操れる快感を味わえた
ゲームキューブの「機動戦士ガンダム 戦士たちの軌跡」。
対戦なしの一人用ゲームということで完全原作再現の機体性能になっており、
ガンダムのビームライフルが本当に戦艦の主砲並みの威力で、ふつうにザクが一撃で散っていきました。
そしてもちろんゲームセンターで大ブームになっていた「連邦vs.ジオンDX」。
「軌跡」とは対照的に、簡単操作で手軽にモビルスーツが動かせるのが魅力です。
ほかにも野望だったり戦記だったり色んなガンダムゲームが煌めいておりました。
わたし含め「ゲームからガンダムに入った」層は当時相当数居たのではないかと思われます。
(というわけでSEEDの新作ゲームにも期待)
そんなPS2も20年前となり、ふと子供のころを振り返ると
そういえばめちゃくちゃ面白いPS2のゲームたちがあった一方で、これより前のガンダムゲームはなかなかの作品が多かったなとも思いました。
おそらく機動戦士ガンダムという材料をゲーム化するには結構なスペックが必要で、それがようやく追いついたのがPS2の時代だったということでしょう。
私はスーファミのVガンダムのゲームがとても印象的です。
あのストⅡみたいにトムリアットと戦うやつ。
ケイトさん成分多めで振り返っております。マスドライバーのレールが!!
- 初のガンダムゲーム「機動戦士Zガンダム ホットスクランブル」
そんな歴史を積み重ねてきたガンダムゲーム。
では1作目は何なのだろうと思って調べてみると、まさかの手元にありました。
それが「機動戦士Zガンダム ホットスクランブル」です。Zガンダム!!
このゲームは家に昔から転がっていたのでごくまれにやっていました。
いわゆるクソゲーの烙印を押されており、個人的には同じバンダイでもゲゲゲの鬼太郎のほうがだいぶ面白いと思います。
このゲームに当時5,300円を払った子供たちはなぜガンプラに使わなかったのか自問自答したことでしょう。そういう経験が判断力を向上させます。子供はみんなニュータイプ!
- ハード:ファミリーコンピュータ
- 発売日:1986年8月28日(ちょうどTVでは続編のガンダムZZが放映中)
- 定価:5,300円
- メーカー:バンダイ
いつものようにニューファミコンに繋いで久しぶりにプレイしてみました。
- ストーリーと登場モビルスーツ
ゲームを起動するとあのSTAR WARS風にストーリーが説明されます。
主人公カミーユのカの字も出てきませんが
クワトロ・バジーナ大尉の正体がジオンのシャアだという公然の事実は説明されます。
もっともこのゲームにクワトロ大尉は一切出てきませんが。
とにかくエゥーゴとティターンズっていうのが争ってるんやで!
というのは何となく伝えられます。
そしてティターンズとアクシズ(急に出てきた)をやっつけろ!とそういうストーリーです。
そして電源を入れてほったらかしにすると始まるのがモビルスーツ紹介。
このゲーム、なんと初代ガンダムゲームにして「ティターンズ」と「アクシズ」のモビルスーツがほぼ全て登場します。圧倒的なカバー率。
おなじみ序盤のやられ役ハイザックに始まり、
ガリバルディやマラサイやバーザムなど中盤のやられ役もしっかり押さえつつ、
終盤のやられ役「ガザC」までバッチリ押さえています。
「アッシマーがぁああああああ」でおなじみブラン・ブルタークの愛機や
「お前は俺の...」と吹っ飛んでいきそうなバウンド・ドック。
シロッコのメッサーラやジ・Oはもちろん完備。当然キュベレイも参戦です。
ほかにもボリノーク・サマーンやハンブラビ、ギャプランなどなどティターンズやアクシズの機体はほぼ全て参戦していると言っても過言ではありません。
バンダイの並々ならぬ気合を感じます。
- でもエゥーゴのモビルスーツは一種類
いったい味方陣営のエゥーゴのモビルスーツはどれだけ登場してくるんだ?!
まさか一年戦争時代の機体も参戦しているのでは??と嫌でも期待が高まります。
ですがこのゲーム、信じがたいですがエゥーゴのモビルスーツは一機。
「Zガンダム」のみです。
ガンダムMk-Ⅱも百式もいません。
リックディアスもメタスもいません。もちろんネモもいません。
~いらっしゃらない皆さま~
薄学ながらボリノーク・サマーンが参戦していて百式がいないゲームはこの作品しか知りません。
どうしてこうなった...
すでにこの時点としてはガンダムゲームとしては非常に厳しいものとなっていますが、さらに追い打ちをかけるのが主人公機Zガンダムの扱いです。
このゲーム「FPS(1人称シューティング)」と「横スクロールアクション」との2種類のステージを交互に進めていく内容になっているのですが、半分はよりにもよって1人称視点です。
なので、画面右下の青いストローみたいなやつがZガンダムです。
なんならハイザックのほうが目立っている始末。
一応横スクロールステージではいい感じのドット絵のZガンダムが出てきてくれます。
良かった。ちゃんとZガンダムだ。
ウェイブライダーにも変形できます。なおあまり意味はありません。
- ゲームの流れ
ファミコンのゲームらしく、ステージの流れは毎回一緒です。
①地上でのシューティングステージ(青ストローZガンダム)
②宇宙で水の星を見ながらのシューティングステージ(青ストローZガンダム)
③シューティングステージが終わると「コロニー」「戦艦」などの要塞へ突入
④謎の白い直線を発射する武器しか使えないZガンダムに乗って要塞の最深部へ
(ビームサーベルなど一切持っていないので近接戦闘不可)
⑤要塞の最深部にある動力みたいなやつを破壊すればクリア、次の要塞へ
とにかくシンプルにこれだけです。
Zガンダムにこんなシーンあったっけ?
- BGMは神曲(ただし1曲のみ無限ループ)
それが「BGMが神曲」なこと。本作のプレイ中のBGMはなんと1曲のみ。漢気に溢れた選択ですが、その1曲がZガンダム後期オープニングの「水の星ヘ愛をこめて」です。普通にすごい。
8bitアレンジの水の星へ愛をこめてはこのゲームでしか聞けないのではないでしょうか。
実際のプレイ中の映像がこちらです。全く爽快感のないビームライフルの音と共にお楽しみください。
ちなみにループがめちゃくちゃ短いのでほぼこの部分を延々と聞くことになり頭が崩壊します。
よくYouTubeで「100分耐久作業用BGM」などありますが、あれをマジで強いられる感じです。
ちなみにゲーム本編では一切流れませんが、電源を入れてからあらすじや(敵の)モビルスーツが紹介されている場面では「Z・刻を超えて」が流れます。
さらにゲーム本編では一切流れませんが、ゲームオーバーになったときにはエンディング曲の「星空のBelieve」が「投げ出さないで 苦しい時こそ」と沈む気持ちを癒してくれます。
不思議と脳裏をよぎる走るファとハロの姿。
そんなこんなで、わりとクソゲーにありがちなのですが
ゲーム内容はあれだけどBGMだけは良いという作品になっています。
- 千里の道も一歩から
いかがでしたでしょうか。
今でこそ面白いキャラゲーの代名詞にもなりつつあるガンダムゲームですが、その立ち上がりはなかなか大変なものでした。
ですがその原点に触れてこそ、今のゲームがいかに試行錯誤をして生み出されているか、そしてそのゲームが存在してくれることのありがたさを大いに感じることが出来ます。
令和の現在に遊ぶ方法はいつものようにどこかでカセットを手に入れてきて遊ぶことしかないのですが、このゲーム地味に40万本も売れていますので意外と手に入りやすいかもしれません。
どこかで見かけた際は、ぜひ手に取ってみて下さいね。君は刻の涙を見る。