こんにちは、にどねゆうきです。
そろそろゲームの記事が書きたくて仕方がなくなっていますが、
人間、勉強しなければいけないときもあるのです...。。
ということで今回もモニター・デロイトの「SDGsが問いかける経営の未来」を読んでいきますが、
少しCSVそのものから視点を変え、経営変革の進め方そのものについて見ていきたいと思います。
いわゆるモニターカンパニーの戦略カスケード(Strategic Choice Cascade)ですね。
一連のSDGs実現・ESG投資対応についての記事はこちら。
ここまでの①~④のSDGs実現・ESG投資対応の記事では、とにかく世の中が大きく変化している中で事業戦略や仕事の仕方を変革しなければいけないということを見ていきました。
お察しの通り、今回要求される変革は「自分の会社の取り組みをSDGsのフレームワークで整理して統合報告書を出しておけばOK!」とか「ESGスコアが最大になるように決算で報告しておけばOK!」というレベルではありません。
世の中の変化の波に乗りさらに先を行き、社会課題を解決しながら自分たちの経済利益をも得るCSVを実現しなくてはいけないのです。
すなわち、競合を出し抜く今までの戦いと同じかそれ以上のスピードで社会課題に取り組まなければいけない。それを自分の会社にとってのメリットにまで落とし込み実行するには、メンバー層から経営者に至るまで全ての層での行動変革が必要になります。
かなり強い言葉で書いてありますが、要するにCSVで社会的価値を作る話はビジネス構造とリンクした戦略であり、あくまで勝つためにやっているものだということです。
なんとなく「いっちょやってみっか」では、悟空ではない我々ではなかなか成果に結びつけられません。
自社の勝利に向けた「選択」を積み重ねて作らなければいけません。
「漫然と仕事をしていたらダメなのは分かるけれど、じゃこの選択ってつまり何よ?」という中身について、今回モニターカンパニーの戦略カスケードというフレームワークを使って見ていきます。
このフレームワークは2000年代のP&Gの経営変革に活用されたことで、世界でもっとも有名な戦略フレームワークの1つとなりました。
カスケードというと、どうしてもマキバオーのこちらを思い浮かべてしまうのですが…
このカスケードではなく、細かく連なった滝という意味のカスケードが由来の“数珠繋ぎ”ぐらいの意味でとらえておけば良いようです。「戦略カスケード」は「戦略数珠繋ぎ」ですね。
カスケード - Wikipedia
同書115ページの戦略カスケードの図から引用しますと、まさしく「選択」が数珠のようにつながっています。この戦略カスケードを構成する「5つの選択」について順を追って見ていきたいと思います。
(p115,モニターデロイト,2018)
まず今回は1つ目から。
What Is Our Winning Aspiration??
私たちの勝利の大義は何だろうか、です。
既存のビジョンを応用する場合はその理解についてあらかじめ社内ですり合わせをしておくと良いと思います。ビジョンの解釈違い、ありがちです。
ビジョンや経営理念の定め方は企業によって千差万別だと思うんですが、その時点でもう勝負が半分ついているということです。
これまで読んできた中で、CSVの考え方で重要なのは国やNGO、即ち社会を巻き込んでいくことだとお伝えさせて頂きました。
ルールをひっくり返す「フロアー全体を傾けてきたっ・・・」なやつですね。
環境負荷が低いことが良いことだ、そのためにうちは「電気自動車」に取り組む...と行ったビジョンを示し、電気自動車へのバックアップを取り付けて、そして自分はあらかじめ投資をしておいて競争力のある電気自動車で勝つ、例えばこんな感じです。
これについては③で取り上げたユニリーバの認証パーム油の事例が非常に分かりやすいかと思います。
(持続可能な認証パーム油の問題提起をし、組織を作り、そしてユニリーバは事前に良質な認証パーム油を確保することで優位性を獲得した)
戦略は競争が前提だ、という言葉がありましたが、ビジョンに大義がなければどうなるか。
大義があるライバルに色々と社会が巻き込まれ、いずれはその「大義」に乗らなければいけなくなってきます。
例えばパーム油の話であれば、認証パーム油を使っていない企業は悪者扱いをされてしまう場合すらあり、認証パーム油を使わざるを得ないわけです。相手の土俵で戦わなければいけなくなるのです。
すなわち、この目標設定の時点でいかに社会を巻き込んだ大義あるビジョンを描けるかどうかが、SDGsの時代にCSVを達成しての企業の成長にかかっているのです。
よってこのビジョンを描く際には、自社の強みだけではなく社会課題についても深い理解を持っていることが不可欠であることは言うまでもありません。
そろそろゲームの記事が書きたくて仕方がなくなっていますが、
人間、勉強しなければいけないときもあるのです...。。
ということで今回もモニター・デロイトの「SDGsが問いかける経営の未来」を読んでいきますが、
少しCSVそのものから視点を変え、経営変革の進め方そのものについて見ていきたいと思います。
いわゆるモニターカンパニーの戦略カスケード(Strategic Choice Cascade)ですね。
一連のSDGs実現・ESG投資対応についての記事はこちら。
- メンバーから経営者まで全員の行動変革が求められる
ここまでの①~④のSDGs実現・ESG投資対応の記事では、とにかく世の中が大きく変化している中で事業戦略や仕事の仕方を変革しなければいけないということを見ていきました。
お察しの通り、今回要求される変革は「自分の会社の取り組みをSDGsのフレームワークで整理して統合報告書を出しておけばOK!」とか「ESGスコアが最大になるように決算で報告しておけばOK!」というレベルではありません。
世の中の変化の波に乗りさらに先を行き、社会課題を解決しながら自分たちの経済利益をも得るCSVを実現しなくてはいけないのです。
すなわち、競合を出し抜く今までの戦いと同じかそれ以上のスピードで社会課題に取り組まなければいけない。それを自分の会社にとってのメリットにまで落とし込み実行するには、メンバー層から経営者に至るまで全ての層での行動変革が必要になります。
この大きな経営変革は、外部から要請された義務によってやり遂げられるものではない。
企業の経営者から末端の従業員に至るまで、社会価値創出が自社にとって必須であることを腹落ちしていなければならない。
そのためには、「攻め」の観点から、「CSVを進めれば進めるほど、競争力が上がる/売上が上がる/市場シェアが伸びる」というビジネス構造に戦略的にシフトしていくことが必須であり、それを核に「守り」「土台」まで含めて改革を進めていくことが求められる。
(中略)「新たな経営モデルに向けた変革」とは、SDGs時代に市場での持続的競争優位を確立していくための純粋な「戦略」ととらえるべきものなのだ。
戦略の核心は「勝つ」ことにある。
当然、競争市場においては競争相手に勝つことが重要である。
逆に勝利を度外視した戦略は戦略とは呼べない。(p113,モニターデロイト,2018)
かなり強い言葉で書いてありますが、要するにCSVで社会的価値を作る話はビジネス構造とリンクした戦略であり、あくまで勝つためにやっているものだということです。
なんとなく「いっちょやってみっか」では、悟空ではない我々ではなかなか成果に結びつけられません。
- 戦略は意図的な「選択」の積み重ね
自社の勝利に向けた「選択」を積み重ねて作らなければいけません。
また、戦略とは「ある企業を業界・社会において独自のポジションに位置付け、それによって、競争相手に対して、持続可能な優位性や、より優れた価値を生み出すもの」と定義される。
戦略の大家であるマイケル E.ポーター教授によれば、競争相手に対して持続可能な競争優位性を作り出す企業は「独自の価値を提供するために、一連の活動を意図的に『選択』している」という。
企業であれ、NGOであれ、官公庁であれ、偉大な組織とは、漫然と日々の活動をするのではなく、あくまで勝利に向けて、意図的な「選択」をしているのである。
SDGs時代に新たな競争優位を獲得していくために、経営モデルのトランスフォーメーションに向けた一連の打ち手の「選択」が求められるのである。(p113,モニターデロイト,2018)
「漫然と仕事をしていたらダメなのは分かるけれど、じゃこの選択ってつまり何よ?」という中身について、今回モニターカンパニーの戦略カスケードというフレームワークを使って見ていきます。
このフレームワークは2000年代のP&Gの経営変革に活用されたことで、世界でもっとも有名な戦略フレームワークの1つとなりました。
カスケードというと、どうしてもマキバオーのこちらを思い浮かべてしまうのですが…
このカスケードではなく、細かく連なった滝という意味のカスケードが由来の“数珠繋ぎ”ぐらいの意味でとらえておけば良いようです。「戦略カスケード」は「戦略数珠繋ぎ」ですね。
カスケード - Wikipedia
同書115ページの戦略カスケードの図から引用しますと、まさしく「選択」が数珠のようにつながっています。この戦略カスケードを構成する「5つの選択」について順を追って見ていきたいと思います。
(p115,モニターデロイト,2018)
まず今回は1つ目から。
What Is Our Winning Aspiration??
私たちの勝利の大義は何だろうか、です。
- 選択1 何を目指して変革を進めるか(勝利の大義は何か)
既存のビジョンを応用する場合はその理解についてあらかじめ社内ですり合わせをしておくと良いと思います。ビジョンの解釈違い、ありがちです。
「大義力」が競争力を左右するというのはハッとさせられますね。
第1の問いは、5つの選択の根幹をなす。
この問いに対する答えを表す方法は様々あるが、ビジョンや戦略目標など、自社が戦略的に目指す姿を短い言葉で示すものととらえるのがわかりやすい。
SDGsが浸透し始めた昨今、企業の目指す姿は、事業規模や成長率などの財務的な目標や、市場シェアや市場でのポジショニングなどの顧客から見た価値軸の目標だけでは不十分だ。
第3章で解説したように、既存の経済活動の成果としての目標と同列に、社会課題解決や社会価値創出に関する目標を示し、経済価値と社会価値を同時に実現していく、いわゆるCSV2.0での目指す姿の定義が求められている。
(中略)
持っておくべき視点は、目指す姿が、社会を主語とした「大義力」の高いものであるか、という観点である。大義が、外部のステークホルダーや自社従業員に、目標達成に向けた“熱狂”をもたらし、実行の推進力になる。
競争力ある事業を作っていく上でエコシステムが重要になっているのに伴い、大義自体が、競争力を左右するものになってきているのだ。(p116,モニターデロイト,2018)
ビジョンや経営理念の定め方は企業によって千差万別だと思うんですが、その時点でもう勝負が半分ついているということです。
これまで読んできた中で、CSVの考え方で重要なのは国やNGO、即ち社会を巻き込んでいくことだとお伝えさせて頂きました。
ルールをひっくり返す「フロアー全体を傾けてきたっ・・・」なやつですね。
環境負荷が低いことが良いことだ、そのためにうちは「電気自動車」に取り組む...と行ったビジョンを示し、電気自動車へのバックアップを取り付けて、そして自分はあらかじめ投資をしておいて競争力のある電気自動車で勝つ、例えばこんな感じです。
これについては③で取り上げたユニリーバの認証パーム油の事例が非常に分かりやすいかと思います。
(持続可能な認証パーム油の問題提起をし、組織を作り、そしてユニリーバは事前に良質な認証パーム油を確保することで優位性を獲得した)
戦略は競争が前提だ、という言葉がありましたが、ビジョンに大義がなければどうなるか。
大義があるライバルに色々と社会が巻き込まれ、いずれはその「大義」に乗らなければいけなくなってきます。
例えばパーム油の話であれば、認証パーム油を使っていない企業は悪者扱いをされてしまう場合すらあり、認証パーム油を使わざるを得ないわけです。相手の土俵で戦わなければいけなくなるのです。
すなわち、この目標設定の時点でいかに社会を巻き込んだ大義あるビジョンを描けるかどうかが、SDGsの時代にCSVを達成しての企業の成長にかかっているのです。
よってこのビジョンを描く際には、自社の強みだけではなく社会課題についても深い理解を持っていることが不可欠であることは言うまでもありません。