• 私とミッキーマウス
こんにちは、にどねゆうきです。

大好きなんですよ、ミッキーマウス
小さいころは近所の「夢屋書店」という愛知県にしかないレンタルビデオ屋に行って、7泊8日の旧作扱いになっている短編集を借りて、テープが擦り切れるほど(物理)見ていました。



今だとたぶんこういうやつですね。



小学生になると、近所のおもちゃ屋で当時64も出ていたのでスーパーファミコンのゲームが投げ売りされていて、ミッキーマニアというゲームを1,000円で買って遊んでました。

消費税おまけしとくよと言われて1,000円札一枚で買い、マジカルアドベンチャーじゃないことに途中で気づいたのをよく覚えています。2人プレイ出来ない。




このソフト、ミッキーの数々の映画出演作(蒸気船ウィリーとか)が1つずつアクションゲームのステージになっていて、過去から現代に向けてどんどん進んでいくという本当にミッキーマニア向けのゲームです。

今思えば「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶシネマランドの冒険 !」や「キングダム ハーツ」みたいな感じですね。たぶんこれらのゲームを作った方もミッキーマニアなのでしょう。



そして中学生のとき、それまで惰性でやっていた夏休みの宿題の読書感想文について、なぜか集大成的に取り組みたくなったのかウォルトディズニーの伝記を題材に選び、めちゃくちゃ読み込んで書きました。



どう書いたのかは覚えていませんが、おそらく読書感想文じゃなくてウォルトディズニーという人物のレポートになったのだろうなあということだけは検討がつきます。
きっとしあわせうさぎのオズワルドの権利取られる騒動とかに着目したことでしょう。それは本の感想ではありません。なんなら自由研究にしとけばよかった。



というわけで私はディズニーが好きです。ミッキーマウスが好きです

私も30年ぐらい生きていると、世間では「ディズニーが好き!」≒「ディズニーランドが好き!」を意味することにようやく気付いてきました。だからすぐに年パス持ってるか聞かれたのかと。
あのマウンティングを取ってくる連中にウォルトディズニーの伝記持ってるかと聞き返してやればよかったです。



  • 「ミッキーマウスクロニクル90年史」から短編アニメの紹介
長くなりましたが、ミッキーの魅力はパークだけにあらず。
むしろ彼の本職はアニメーション。ダウンタウンでいえば漫才です。

というわけで、今回は手元の「ミッキーマウス クロニクル90年史 (DISNEY FAN MOOK)」から、私の好きなミッキーマウスの短編アニメ作品を紹介させて頂こうと思います。

この本はこの本でまた別で紹介させて頂きたいな、と思うのですが超おすすめです。

なんといってもまずでかい

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岩波文庫が4つぐらい載ります。


そしてミッキーマニア知識が満載。

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ミッキーに白目がついたのは1939年の「ミッキーの猟は楽し」からで、きっかけはアニメーターのウォード・キンポールが1938年のパーティーの招待状に書いたイラストから

みたいな、ミキヲタ界隈を喜ばせる知識が多数載っています。脳汁が溢れ出ます


個人的には「白黒かカラーか」というより、ミッキーのデザインで分けるほうが好きなので「黒目のみ」「白目プラス」で紹介させて頂きます。写真はすべて「ミッキーマウス クロニクル90年史 (DISNEY FAN MOOK)」から引用。


今回は黒目編です。

  • ① プレーン・クレイジー(1928)
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「プレーン・クレイジー(1928)」

初めて作られたミッキーマウスの映画です。
「蒸気船ウィリーじゃなくて??」となるところですが、作られたというところがポイントです。初めて公開された映画ではないのです。

この映画は1928年の5月には地元の映画館で試写も行われており評判も上々。
ところがいざ配給へ、とハリウッドへ持っていったところなんと引き受けて貰えなかったのです。
理由としては、当時アニメーションのシリーズは世に溢れていましたので、今さら新シリーズに取り組む理由もないというところでした。

そこで目新しさを加えるべく作ったのが、フルボイス・フルオーケストラのトーキー映画「蒸気船ウィリー(1928)」。
実は「プレーン・クレイジー」は当初は音のないサイレント映画だったのですね。

そして蒸気船ウィリーのヒット後、この「プレーン・クレイジー」もトーキー映画としてリメイク、公開されることとなったのです。


飛行機で飛んでいる間に色んなトラブルに巻き込まれるミッキーの様子は面白く、小さなころから大好きな作品でした。
ですが、大人になって見返して気付いたことが。この映画、思いっきり時事ネタの映画なのですね。

ミッキーが髪型をふさふさに整えておしゃれしてますが、これ大西洋単独無着陸飛行のリンドバーグの髪型なんですね。

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私は90年代ぐらいにこの映画を見たので、ミッキーが昔のすごい人のマネをしているぐらいに思っていたんですが違うんですよ

「プレーン・クレイジー」は1928年の映画で、リンドバーグが大西洋単独無着陸飛行をしたのは1927年。制作時期などを考えれば、もう最新の時事ネタだったわけです。


たまたま最近「翼よ! あれが巴里の灯だ」というリンドバーグが大西洋を横断飛行する映画を見たのですが、飛行前の雰囲気とかそっくりです。


このリンドバーグの映画も後年作られたものなので、おそらく2作品どちらも当時の飛行場の雰囲気を丁寧に描写しているということなのでしょう。名作はデティールにこだわる。

というわけで「プレーン・クレイジー」を当時の時代を感じながら楽しむためにはリンドバーグの映画も見ておくのがおすすめです。



英語版でしたらミッキーマウス公式チャンネルでの視聴が可能です






  • ② 蒸気船ウィリー(1928)

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続いてはこちら、同じく1928年のミッキーマウスデビュー作「蒸気船ウィリー」です。

余談ですがキングダム ハーツⅡでこの蒸気船ウィリーの世界を存分に冒険できるので超おすすめです。

この映画最大の特徴は音が出るトーキー映画であること。そこに着目して見るとめちゃくちゃ面白いです。とにかく豊かに音が鳴ります。




英語版であれば、ミッキーマウス公式チャンネルでの視聴が可能です。






  • ③ ミッキーの大演奏会(1935)

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続いては1935年の「ミッキーの大演奏会」。
ミッキー作品として初のカラー映画です。

カラー映画なのですが色に甘えることなく(?)ディズニー映画らしく豊かな音楽で楽しませてくれます。
この作品の面白いのは何といってもドナルドダック。横笛吹いてオーケストラを妨害してくるのが本当に腹が立ちます。ドナルドのオクラホマミキサーへの異常な執着がたまりません。

嵐に巻き込まれながらひたすら演奏を続けようとするオーケストラが超シュールです。


こちら英語版はミッキーマウス公式チャンネルでの視聴が可能です。







  • ④ ミッキーの自動車修理(1935)

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同じく1935年の「ミッキーの自動車修理」。
ピートが依頼してきた車を修理して、もちろんぶっ壊すお話です。

1930年代の車なのかなと思うのですが、トゥーンタウンに出てきそうな車が画面いっぱいに出てきて楽しませてくれます。

ピートがマジで怖すぎなのと、バッタが奏でる曲がテンポ良すぎで、全編にわたる疾走感がたまりません。10分で修理しろ!と言われるところから始まってノンストップで駆け抜けます。

個人的には白黒ミッキーでは一番面白いんじゃないかと思ってます。「大演奏会」と違って白黒作品に逆戻りしてしまってるんですが、最高の技術で作った白黒映画って感じがするんですよね。
映像・音楽・ストーリー・ギャグすべてがかみ合っていて超おすすめです。

ミッキーマウス/B&Wエピソード Vol.1 限定保存版 (初回限定) [DVD]



  • ⑤ ミッキーの夢物語(1936)

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1936年の「ミッキーの夢物語」です。要するにミッキー版「鏡の国のアリス」。
小さいころに見ると鏡がトラウマになること間違いなしの名作です。

祖母の家の化粧台の鏡に布がかけてあったんですが、この映画のせいで鏡が怖すぎて近寄れませんでした。今でもちょっと怖いです。
あとラジオと電話が怖くなること間違いなし。幸い平成の世にこういう電話とラジオはありませんでした。

この映画、勝手に長編映画だと思い込んでいたら10分もないんですね。めちゃくちゃ濃密なストーリーで、アニメーションのお手本みたいな作品だと思ってます。

しかし、今見てもトラウマがうずきます。。。


こちらの作品は、英語版でしたらミッキーマウス公式チャンネルでの視聴が可能です。






  • ⑥ ミッキーの移動住宅(1938)

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続いて1938年の「ミッキーの移動住宅」。
前述の夢物語が「トラウマ製造作品」なら、こちらは「物欲刺激作品」とでも言いましょうか。

いまだにキャンピングカーを欲しい気持ちを沸き立たせてくる恐ろしい映画です。

キャンピングカー(トレーラーハウス)でミッキーとドナルドとグーフィが繰り広げる珍道中のお話なのですが、もうむちゃくちゃ楽しそうなんですよ。

本で紹介されているシーンは畑からトウモロコシを失敬して朝ごはんにするシーンです。よいこはまねしないでね。
ほかにも牧場の牛からミルクを絞ったりとミッキー達やりたい放題。ボタン一つで部屋がどんでんするのも最高で、こんな部屋あったらなあと思いました。


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ジッパーで開くお風呂のシーンは完全にブチャラティのスティッキー・フィンガーズの元ネタだと確信しています。

子供たちをトウモロコシ好きにさせ、そしてポップコーンの出来る仕組みを身をもって解説してくれるコーン万歳映画でもあります。見ると旅に出たくなる副作用がありますがぜひ見て頂きたい作品。





  • ⑦ ミッキーの巨人退治(1938)

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さて、黒目作品から最後は「ミッキーの巨人退治」。1938年の作品です。

この作品も長編だと思っていたら10分もないんですね...!!!
トラウマ製造機「夢物語」と違い、こちらは「冒険譚」という感じでアクション映画として楽しめます。

仕立屋ミッキーがハエを7匹倒したら、なぜか伝言ゲームで巨人を7人倒したという調査兵団状態になってしまい、王様に任命されて巨人を倒しに行くというお話です。

いま見返すと、城壁から出ていくシーンがマジで進撃の巨人っぽいですね。ウォール・ディズニーだよ。巨人の髪の毛と髭が気持ち悪いなあ・・申し訳ないけどとはずっと思ってます。

というか仕立屋ミッキーが空をビュンビュン飛んで糸で縛り付けるシーンは完全に立体起動ですね。このミッキー、本当に巨人7人倒せるんじゃないか。

最終的には巨人の鼻息が発電機になるという衝撃のラストを迎えます。このみんなが遊んでいる移動遊園地が最高に楽しそうで本当に憧れました。


なお、ディズニーランドのベビー服・こども服専門ショップの「ブレイブリトルテイラー・ショップ」はこの映画が舞台になっています。雰囲気抜群です。




セレブレーション! ミッキーマウス [Blu-ray]




というわけで黒目時代のミッキーの作品を7つ紹介させて頂きました。いかがでしたでしょうか??

レンタルビデオ屋さんもすっかり見なくなった今の時代、ディズニープラスあたりに入るのが一番見る環境としてはベストなのかなと思いつつ、昔ながらの同じ作品を何回も見る体験もそう悪くないなと思っています。
とくに90周年ディスクの「セレブレーション! ミッキーマウス」は値段も安価でおすすめです。


世界的なキャラクターの出世や人気はやはり本業の偉大さがあってこそ。
ポケモンのゲームが桁違いに面白いのと同じように、ミッキーのアニメは桁違いに面白いです。
ミッキーマウスアニメの世界、ぜひお楽しみくださいね。