こんにちは、にどねゆうきです。
〇〇経済学という学問は色々あるのですが、なかでもヒトの行動に着目した「行動経済学」は非常に実践的で面白い分野です。
大学の勉強がそのままマーケティングの実務でも使えるという珍しいジャンルです。
学問の説明よりも中身のほうが面白いので、さっそくみていきましょう。
今回はこちらの「9割の人間は行動経済学のカモである」という一冊から。
さて、次の例をご覧ください。
こういうのはあんまり厳密に考えると訳が分からなくなってくるので、直感的に行われた調査なのだろう...という前提をもったうえで見てみましょう。(じゃないと疲れる)
さて、この調査の結果としては
「問Aでは対策1」を「問Bでは対策4」を選ぶ人が多いと証明されているそうです。
どちらの問でも選択肢の内容は同じ(期待値が同じ)なので各々50%前後に収まりそうですがそうはならない。
これには次の二つの原因があります。
一つは「フレーミング効果」というもので、助かるという言葉を好み、亡くなるという言葉を嫌うので回答が偏るというバイアス。
そしてもう一つが次の「損失回避」です。
これによってこの質問の回答傾向に影響が出ています。
どういうことかというと、次のように書かれています。
この「同じだけの規模の損得」ならば
損をするダメージ > トクをする喜び
になる、というところが一番肝心のところかと思います。
同じものであるならば、それを得たときの喜びよりも失った悲しみが大きいのです。
この損失回避の原則にあてはまる人間の非合理な判断の一つが「保有効果」です。
これはシンプルにいうと、自分の所有物に高い価値を置く心理的バイアスのことです。
いかがでしょうか。
こちらのマグカップ売買の実験、非常に分かりやすい「保有効果」の例かと思います。人間、一度手に入れてしまうと自分の持っているものを手放したくなくなってしまうんですね。
わたしも保有効果についてとても思い当たるケースがあります。
ゼルダの伝説 4つの剣+ というゲームキューブの大好きなゲームがあるのですが、このゲームは当時から投げ売りされておりまして新品で1,980円ほどで買いました。
定価は5,800円。かなり安く買ったことになります。
今でも楽天で1,280円で買えるのですが、なかなか売る気にはなりません。
仮に損得なく買いなおすことの出来る1,280円でも売らないと思います。
一応テレビだけでも出来るのですが、基本的には「ゲームボーイアドバンス人数分」「GBAケーブル人数分」という渋谷スクランブルスクエア並みに高いハードルが必要なゲーム。
当時としてもファイナルファンタジークリスタルクロニクルを仲間内でやっていたのでたまたま楽しめただけで、そのときのメンバー以外ではやったことがありません。
なのでこれからもなかなかプレイする機会はないと思います。
そういった意味で私にとって価値は決して高くないはず。
それでも1,000円、2000円ぐらいでは売る気にはなれません。
しかしながら、もしかしたら(1,280円で買い直せるとして)1万円ならまた買い直せばいいかと売るかもしれません。
この価格のギャップ、これがまさに「保有効果」が発生している状態です。
そんな損失効果。
「へぇ」という内容ですが、こうして人間は合理的に思考・行動することが出来る存在ではなく、非合理な部分を持っているということを認識することは、自分を客観的に見つめることにもつながります。
合理的に考えられていないことに気付く。
でも別に、合理的な選択しかしてはいけないわけではありません。
それでもする非合理な選択が、人間らしくてとても良いと私は思います。
〇〇経済学という学問は色々あるのですが、なかでもヒトの行動に着目した「行動経済学」は非常に実践的で面白い分野です。
大学の勉強がそのままマーケティングの実務でも使えるという珍しいジャンルです。
学問の説明よりも中身のほうが面白いので、さっそくみていきましょう。
今回はこちらの「9割の人間は行動経済学のカモである」という一冊から。
例えば、次の二つの質問に答えていただきたい。
正体不明の伝染病が発生したという状況での問いだ。
あなたは「対策1」と「対策2」のどちらを選ぶだろう。
【問A】
対策1:半分の住民が助かる
対策2:50%の確立で全住民が助かるが、50%の確率で誰も助からない。
続いて、問Bで「対策3」と「対策4」のどちらかを選んでいただきたい。
【問B】
対策3:半分の住民が亡くなる
対策4:50%の確立で全員が亡くなるが、50%の確立で全員が助かる
こういうのはあんまり厳密に考えると訳が分からなくなってくるので、直感的に行われた調査なのだろう...という前提をもったうえで見てみましょう。(じゃないと疲れる)
さて、この調査の結果としては
「問Aでは対策1」を「問Bでは対策4」を選ぶ人が多いと証明されているそうです。
どちらの問でも選択肢の内容は同じ(期待値が同じ)なので各々50%前後に収まりそうですがそうはならない。
これには次の二つの原因があります。
一つは「フレーミング効果」というもので、助かるという言葉を好み、亡くなるという言葉を嫌うので回答が偏るというバイアス。
そしてもう一つが次の「損失回避」です。
- 損失回避
これによってこの質問の回答傾向に影響が出ています。
どういうことかというと、次のように書かれています。
人間はトクをする場面で確実な利益を得る選択をし、
損しそうな場面ではいちかばちかの行動に出ることが多い。
同じだけの損得なら、損をするダメージがトクをした喜びを上回るためだ。
問Aでは「助かる」というトクに対して確実性のある対策1を選び、
問Bでは「亡くなる」という損に対して可能性が残されていそうに見える対策4を選ぶ、という結果になる。
人間の心理は、特をするか損をるか、という設定で判断が変わるのだ。
この「同じだけの規模の損得」ならば
損をするダメージ > トクをする喜び
になる、というところが一番肝心のところかと思います。
同じものであるならば、それを得たときの喜びよりも失った悲しみが大きいのです。
この損失回避の原則にあてはまる人間の非合理な判断の一つが「保有効果」です。
これはシンプルにいうと、自分の所有物に高い価値を置く心理的バイアスのことです。
売買の価格が明確な金券を取引すると考えてみる。
「500円の金券を、いくらなら買うか?」という質問に対しては、500円以下なら買って良いという答えが普通だ。
逆に、500円の金券を自分が持っていたとして、「いくらなら売るか?」という質問に対しては、500円以上なら売って良いと答えるだろう。
この場合、「買う」価格と「売る」価格に、極端に大きな差はない。
しかし、明確な値付けがされていないものの場合は事情が変わってくる。
一度、自分のものになったならば、それは通常考えられるよりも高いものとして、人間は判断してしまうのだ。
ある実験では、学生を集めて、マグカップを売買するシミュレーションを行った。
学生の半分にマグカップを渡し、残りの半分を学生に売ることができるとして、売り値を付けさせた。売らずに持ち帰ることも可能とする。
残り半分の学生は買い手となって値付けをし、売り値との比較をした。
結果的には、それぞれの評価額に大きな差が出た。
書い手が300円前後になるのに対して、売り手は600円前後の値付けをした。
2倍近い差が出たのだ。
一度マグカップを手に入れた学生にとっては(中略)売ることは損失を意味する。
その残念な気持ちにより、高い値付けをしたと解釈できる。
このように一度、自分のものになったものの価値が高くなる「保有効果」は、持ち物をいつまでも捨てられないといった、現状を維持する行動の原因となる。
いかがでしょうか。
こちらのマグカップ売買の実験、非常に分かりやすい「保有効果」の例かと思います。人間、一度手に入れてしまうと自分の持っているものを手放したくなくなってしまうんですね。
わたしも保有効果についてとても思い当たるケースがあります。
ゼルダの伝説 4つの剣+ というゲームキューブの大好きなゲームがあるのですが、このゲームは当時から投げ売りされておりまして新品で1,980円ほどで買いました。
今でも楽天で1,280円で買えるのですが、なかなか売る気にはなりません。
仮に損得なく買いなおすことの出来る1,280円でも売らないと思います。
一応テレビだけでも出来るのですが、基本的には「ゲームボーイアドバンス人数分」「GBAケーブル人数分」という渋谷スクランブルスクエア並みに高いハードルが必要なゲーム。
当時としてもファイナルファンタジークリスタルクロニクルを仲間内でやっていたのでたまたま楽しめただけで、そのときのメンバー以外ではやったことがありません。
なのでこれからもなかなかプレイする機会はないと思います。
そういった意味で私にとって価値は決して高くないはず。
それでも1,000円、2000円ぐらいでは売る気にはなれません。
しかしながら、もしかしたら(1,280円で買い直せるとして)1万円ならまた買い直せばいいかと売るかもしれません。
この価格のギャップ、これがまさに「保有効果」が発生している状態です。
そんな損失効果。
「へぇ」という内容ですが、こうして人間は合理的に思考・行動することが出来る存在ではなく、非合理な部分を持っているということを認識することは、自分を客観的に見つめることにもつながります。
合理的に考えられていないことに気付く。
でも別に、合理的な選択しかしてはいけないわけではありません。
それでもする非合理な選択が、人間らしくてとても良いと私は思います。